▼詩

履歴詩で私を語る

履歴詩で私を語る

【解題】立教文学部文芸思想専修二年生対象の、「ブログ演習」は、前々回の「五十行詩」、前回の「五つの動詞で私を語る」につづいて、「履歴詩」の課題へと突入していった。前々回が改行加算を精確にする練習、前回が私を分離的に語る練習だったが、、今回はそれらを合体させた。推奨された書式は、詩の各行アタマに、「〇歳、1歳・・」と年齢をしめす表示を置き、改行詩を完成させる、というものだった。内容は「ウソでもいいよん」とはいっておいた(笑)。なので、詩=本人とは短絡しないようにしてください。最終行は自分の現在年齢でとめていい、とは指示を出した。
 ともあれ報復絶倒、うるうる来るもの、各種、集まったとおもう。
 それと今回も受講生それぞれがミクシィ日記上に出した「但し書き」も置いた。繰り返すが、どのようにこのような課題をmixiに晒す自分を括弧に入れていたかを、この欄の読者にみてもらうためだ。受講生たちは「羞恥プレイ」の連続に、そろそろ感覚が麻痺して、かなり大胆になっているともおもう(笑)。個々の詩の解説はしない。熟読分析に値するものもかなりある、とだけいっておこう。
 なお、敬愛する詩人のなかにしけふこさん(阿部のマイミク)もmixi上のこのやりとりに気づき、課題作成に参加されました。なかにしさんの、いかにもなかにしさんらしい履歴詩も、当日のプリントにもちろん加えました。ついでにいうと一年生も同様の経緯で乱入してきた。それと阿部本人の課題実践はやはり最後に置きました。
(阿部)





履歴詩で私を語る
(でもウソかもしれない)

立教文学部文芸思想専修「ブログ演習」履修者一同





【【授業用】履歴詩】
春木晶子

履歴書に書けるような特技を持ち合わせないアキです。
授業が進むにつれ、課題の難易度が上がっています。


0歳、私は泣くことで呼吸を知る
1歳、私は手に出来る世界の広がりを感じる
2歳、私は思いを伝える術を覚え始めた
3歳、私は家の外の世界を中心に動き出す
4歳、私は思い通りに行かないことの多さに歯がゆさを覚える
5歳、私は大きくなれば空に手が届くようになるかな、と青さに思いを馳せる
6歳、私は学びに好奇心を覚える
7歳、私は友情以外に好意のある事を知る
8歳、私は高い声で得意気に歌う
9歳、私は失くす痛みを知る
10歳、私は世界が緩やかに収束していくのを感知する
11歳、私は失っても痛まないこともあると知る
12歳、私は低い声でひっそりと歌う
13歳、友情以外の好意の存在を忘れている
14歳、私は学びに飽きて欠伸をする。眠い。
15歳、私は成長期の終わりと変わらない空の遠さに気づく
16歳、私は思い通りに行った数少ない事柄にも歯がゆさを覚える
17歳、私は家の内の世界に安堵を覚え、立ち止まる
18歳、私は言葉に出来ない思いの多さに跪く
19歳、私は手に出来る世界の狭さを知覚する
20歳、私は呼吸を知りながら泣く。泣かなければならないような気がするから。


これを書いていてふと、「アルジャーノンに花束を」を思い出しました。
数年前に放映されてたドラマを見ただけで、原作は読んでないんだけど。




【〔課題〕履歴詩】
都野有美

履歴詩です。

0歳 私は天上天下、と何か言いかけたらしい
1歳 私は痛覚の欠けた子供だった
2歳 私は一枚一枚ひっぺがした鯛のうろこ、うろこ
3歳 私は押っぺすな、と言われて動けなくなるいいこ
4歳 私はヤクルトで育ちます
5歳 私は犬に太腿をかまれる
6歳 私は自分の三つ編みをかんでみる
7歳 私はいっぺん殺された気がする(紐が、私の首をかんだのです)
8歳 私はりかちゃん人形とかいりませんベーゴマ下さい
9歳 私は、うちは、ぼくは、お姉ちゃんは! 一輪車なんて乗れないんです!
10歳 私はイナゴの佃煮に、骨抜きに、されて、田んぼでイナゴにたかられて
11歳 私はたぶん大人より賢い、そう思っていた(だって嘘ついたって気づかれない)
12歳 私はそこらの女の子と一緒じゃないのさ北埼玉が産んだ異端児さ
13歳 私は近所のおねえさんに恋をしました
14歳 私はそれであの背中へ、きれいにこゆびをはめてみせたんだよねっ
15歳 私は、ちゅーちゅー鳴いてトリモチにかかるような臆病だった
16歳 私はだからちょっとだけスカートの裾短くしてみたんだ
17歳 私はクラスメイトに淫乱だと言わしめた
18歳 私はどうもモノを見る目がないのだ
19歳 私は猫のぬいぐるみでも抱いて黒インクに溺れます


履歴……詩? まぁもう何でもありでしょう。たぶん。わーい19歳だから行が少なーい、逆に消化不良な気もしますけれどー
今回は全部嘘を書かねばなりませんでしたので大変でした。

ちなみに高校にあたる17歳のは実は実話(←シャレ)
友人がそういう話を聞きたがっていたので、ぶっちゃけ中学時代に四歳年上の男性と関係したことを暴露したら、彼女にニヤニヤしながらそう言われました。

嘘。




【みんなにポエムを書かせるのが好きなんですね~(課題)】
水野 桂

履歴詩を書く、という課題です。
りれきしょ、でなくりれきし。なんですか、それは。。。

【履歴詩】

0歳、からん、という音を立てて生まれ堕つ
1歳、言葉にはならない言葉 嘔吐する
2歳、少しだけ言葉を得ても 嘔吐する
3歳、そば食べてなんだかんだで嘔吐する
4歳、弟が「河童の顔して生まれてきたよ」
5歳、困ったらとりあえずイエス様に相談した
6歳、入学式、隣に座った子、転校した
7歳、牛乳が、三角から、四角くなる
8歳、暗算がはやいこ、いいな、うらやましい
9歳、黒くなる手の小指の方 漢字のせい
10歳、「マイノリティ」になってしまったことを隠す
11歳、「シンメトリー」になってしまったことを晒す
12歳、ただ黙って花になります黒い花
13歳、陽だまりと影の境目うろつく日々
14歳、エスカレーター 下界を見下ろす温室育ち
15歳、スロースターター 少しカーテン越しに見る
16歳、親友が歌う「エスケープしてこよう」
17歳、たくさんの知らない名前 消化する 
18歳、ツタだらけ緑の空気 消化する
19歳、黄金色輝く液体 消化する
20歳、かつかつ、とぶつかりながら転がり堕ちる


自分でも何書いているのかよくわかりません。ごめんなさい。
でも期限は守りました!!

あ、あとちょっと5・7・5っぽくしてみました。
工夫したんです私なりに。汲み取ってください。お願いします。




【履歴詩】
岡崎大輔

21歳の輪郭は幻影かもしれない

と20歳の僕は思っていた。

19年目の空はより所もないまま 左目は霞を帯びたまま

18歳の夏は刻む暑さで青春を遺していった
17歳が抱えていた熱気球は
16歳が暖めていた

そもそも拾ったのは12歳の僕だった
13歳で磨いてみても一向に光らない
14歳で水を与えても変化がない
15歳で添い寝をしたとき、微かに膨らんだ


11歳で望まれた「大人」の像は
10歳の僕には遠いものだった

9歳で九段目の階段を踏み外した
8歳まで元気よく追いかけていたバッタはもう居ない
黒猫はいつも 月の色した瞳で7歳の僕を出迎えた
6歳の黄色い帽子と黒いカバンはもう似合わない

5歳で作った砂の楼閣は崩れ去り
4歳で埋めた乳歯は未だ芽がでない

3歳ではろくに思い出せることもなく
それでも確かに2歳はあった

1歳の写真で笑ってた僕

0歳の泣き声を聞いた




【〔課題〕自分史】
木幡健太

0歳 生まれる 『ピジョンミルク』
1歳 立つ   『烏龍茶大地に立つ』
2歳 喋る   『おじいちゃんのカタキ』
3歳 泣く   『殴るのをやめない』
4歳 学ぶ   『悪魔という言葉を本で調べた』
5歳 移る   『秋山渉の住む町』
6歳 遊ぶ   『ともだち』
7歳 モテる  『そう考えていた時期が俺にもありました』
8歳 描く   『おかゆクラブ』
9歳 追う   『逃げる奴はベトコンだ』
10歳 旅する  『ピエール・アーサー・ちゅん』
11歳 反する  『“さん”を付けろよ、デコスケ野郎! 』
12歳 恋する  『そこにしびれる憧れる』
13歳 読む   『ネットは広大』
14歳 聴く   『英雄にあこがれ』
15歳 気付く  『熱い二流』
16歳 打つ   『駆け巡る脳内物質』
17歳 踊る   『愛することだけがやめられない』
18歳 脱する  『心に余裕(ヒマ)のある生物』
19歳 止まる  『スーパーカップ』
20歳 続く   『(未定)』

自分史の課題。
何をどう書けばいいのかさっぱり思い浮かばない。
苦肉の策で一年ごとの記憶に副題をつけてみた。
動詞の羅列は前回の課題の余韻(動詞は好きだ)。
なお、全ての副題が何らかのオマージュを含んでいる。
あまりいい方法ではないが、多大な影響を受けた作品に敬意の意味を込めて。

―――――――――課題ここまで―――――――――

あまりに分かり難いので注を別記するが、長くなるので課題では割愛してもらいたい。

※0…『ハトよめ』より。ハトが雛に与える栄養。口から吐き出す。
※1…ガンダムネタ。シリーズ中最も有名なサブタイトル。
※2…サザエさんのタラちゃんが初めて発した言葉。
※3…ジョジョネタ。「君が!泣くまで!殴るのをやめない!」
激昂した姉によくイジめられていた幼児期の私。
※4…『寄生獣』より。宇宙外生命体であるミギーは「悪魔に最も近いのは人間ではないか」と言った。この頃私は「教育センター」なる謎の教育機関で薄っぺらい英才教育を受けていた。
※5…『頭文字D』中に地元のファミレスや道並みが登場してなんとなく嬉しかった。この年私は埼玉県に移り住んだ。
※6…『20世紀少年』より。恐らくこの時が生涯最も友人が多かった。
※7…バキネタ。近所が女の子ばかりでよく遊んでいた。単純に数の上ではこの頃が一番多くの女性と付き合っていた。
※8…『武士沢レシーブ』より。絵を描くことに目覚め、共同体を結成して画力の向上に切磋琢磨していた。ウソ。変な絵描いて遊んでただけ。
※9…『フルメタルジャケット』より。追いかけっこをしてよく遊んでいた。缶蹴りもよくやった。田舎だったので遊ぶ土地がいっぱいあった。
※10…DQ5より。RPGにどっぷりハマった。この頃のゲームの思い出は実に鮮明である。
※11…『AKIRA』より。今思えば反抗期。とにかく母親の嫌いなところばかりが目に付いた。
※12…ジョジョネタ2個目。初恋ではないが、猛烈に好きな子が居た。が、それもコロコロ変わった。昔は気が多かったのかも。
※13…『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』より。オフラインの書籍はもとより、図書館を利用して小説ばかり読んでいた。
※14…ブルーハーツの曲名。遅まきながらブルーハーツにハマった。しかし以後パンクロックを好きになることはなかった。
※15…『天』より。どうもこのあたりで今の自分の思想が出来上がったらしい。これより前は何をしていたかは覚えていても何を考えていたのかは全く思い出せない。
※16…『アカギ』より。役満を和了した(と勘違いした)鷲巣が高揚している台詞(結局頭ハネでアガれなかった)。部室で麻雀ばかり打っていた。
※17…『プラネテス』より。それなりに充実していた。しかし学校では相変わらず麻雀三昧。
※18…『寄生獣』より二つ目。物理的にも精神的にも閉塞した状況から脱して心に余裕を持つことができるようになった。束の間だが。
※19…『最強伝説黒沢』より。一人暮らしの不健康と、理想と現実のギャップを揶揄している。まさにモラトリアムとも言うべき停滞。
※20…停滞は未だ続いているようだ。
※21…開ける、あるいは進み出す、となるように希望している。






【【課題】履歴書じゃなくて……】
沖原陽子

毎週恒例の課題の時間がやってまいりましたよ。。
今回の御題は“履歴詩”です。

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0歳 どうしようもなく理系とどうしようもなく文系のカップルの長女になる
1歳 弟と呼ばれるサルのような生き物が家族に加わる
2歳 風に吹かれて転んでは泣くし、プールに沈められては泣いていた
3歳 モノクロのカラダを持つ物体と仲良くなる
4歳 合奏会で割り当てられたオルガンが嫌になり、幼稚園を拒否する
5歳 東京は都会だがそれなりに自然があることを知り
6歳 多摩川でメダカを捕獲してつれて帰る
7歳 体が弱かった。運動会は保健室で寝てた。窓の外で騎馬戦をしていた。
8歳 虚弱体質が嘘のように、虫捕りもしたし木登りもした。気がする。
9歳 ひさしぶりに聞く広島弁に、最初はかなりびびりました
10歳 担任から気に入られてた。一目置かれる、というアレだ。
11歳 4つ目の小学校に通う。なんだかんだで一番長く通った小学校となる。
12歳 中学受験は挫折を知らないうちに終わった。学力のピークだった(笑)
13歳 バレーボールに明け暮れる日々が始まった
14歳 将来の進路に疑問を抱き、聞き込み調査を開始
15歳 いつの間にか文芸部に所属する運びとなる。運命なんてその辺に転がっている
16歳 青い春、と書いて青春なのだと実感
17歳 受験?なにそれ?美味しいの?という勢い
18歳 なのにすんなり進路が決まって申し訳ないm(_ _)m
19歳 ココロときめく不倫という境地に足を踏み入れる
20歳 なんだかわからないけれども幸せの絶頂


五十行詩と比べればはるかに短いがはるかに手抜き^^ゞ






【課題:履歴詩】
平塚亜子

0歳 私は「女の子ですよ」って言われたとおもう

1歳 私は青いズボンをはいて走り回る
2歳 私は転ぶことで痛みにであって
3歳 叱られることで限度を覚えていった
4歳 「ご飯を残す子は遊んじゃ駄目です」

5歳 私はメロンが大好物だった
6歳 メロンがスイカだったことを知る
7歳 鐘が鳴ったら家に帰ってきなさい
8歳 プールがいやで熱を出し
9歳 はじめてあの子と仲良くなりたいって思う

10歳の白いスカートはずっと白いままでしょうか
11歳はピンクの筆箱がうれしくて仕方ない
12歳で黄色い鳥が静かに死んでいき
13歳の食卓には赤い米が並ぶ

14歳の私は迷子になったようです

15歳 3年B組の私の席は一番前にちがいない
16歳 二次関数なんてどうでも良くて 
17歳 私は自分が何者なんだろうと思う
18歳 オカアサン、ごめんなさい
19歳 気が付いたらもうすぐ「オトナ」と呼ばれる私は

20歳の今でも朝には「おはよう」と言う14歳の彼を見る

 




【〔課題〕履歴詩。】
大川珠季

究極に眠いです。
でもやんなきゃ。がんばる。

五十行詩に次ぐ新しい詩の形態に挑戦します。


0歳 生誕…現世の光を知覚する。 
1歳 家族…無条件の愛情を知覚する。 
2歳 安眠…睡眠の悦びを知覚する。 
3歳 危機…人類の生命力の強さを知覚する。
4歳 外出…外界の広さを知覚する。
5歳 友情…身内以外の人間との関係性を知覚する。
6歳 学校…縦社会の基礎を知覚する。
7歳 教室…集団生活の愉しみを知覚する。
8歳 虚偽…嘘の強さと弱さを知覚する。
9歳 恐怖…人間の醜さを知覚する。
10歳 優越…笑顔の効力を知覚する。
11歳 工夫…取捨選択の面白味を知覚する。
12歳 先輩…目立の危うさを知覚する。
13歳 自我…自世界の確立を知覚する。
14歳 団結…同一目的に対する仲間意識を知覚する。
15歳 克己…弱点に対する挑戦心を知覚する。
16歳 部活…汗と涙の青春像を知覚する。
17歳 受験…潜在的忍耐力を知覚する。
18歳 大学…将来に向けた経験欲を知覚する。
19歳 結論…でもやっぱり「人のぬくもりが一番大切だ!」と知覚する。


眠すぎて頭が回ってませんが、これって履歴詩になってるんでしょうか?






【【課題】履歴詩】
大庫友里

0歳 生まれる(ハッピーバースデー☆)
1歳 記憶にございません(文字通り)
2歳 別に、特になにも。。(だって憶えてないんだもん♪)
3歳 友達と補助輪暴走団なるものを結成(二代目団長)
4歳 「おかあさんといっしょ」出演。ちゃっかりアップで映る(アップで映っても芸能プロからは何もなかった)
5歳 脱補助輪暴走団結成(補助輪とれたのが一番遅かった為、団長になれず)
6歳 ジャイアンを彷彿とさせる男子にイジメられる(今でもコワイ)
7歳 サンタさんを目撃する(今でも、あれは本物のサンタだと信じて疑わない)
8歳 私は相変わらず泣いてばっか(泣いたっていーじゃない。だって女の子だもん!!)
9歳 人格が変貌する(泣き虫→暴力暴言女)
10歳 泣かなくなった私は暴力的になる(男のち○こ蹴り飛ばしたっていーじゃない!!)
11歳 友達関係に行き詰まりを感じ始める(友達って、何?)
12歳 友達も悪いモンじゃないかもと思い始める(やっぱり友達って、何?)
13歳 おかっぱヘアーになる(ワカメでございまーす♪)
14歳 「テニプリ」にヤバイくらいハマる(ツイストサーブをかなり本気で練習した。できるわけがない)
15歳 カッターで手首を切ろうと試みる(マジ話かにゃ?ウソ話かにゃ?)
16歳 一生忘れられないであろうあの人と出逢う(いい加減諦めろ)
17歳 精神的に向上心のない者は馬鹿だ(諦めたらそこで試合終了ですよ)
18歳 辛い辛い受験勉強を楽しいと感じてしまう(ドMですから)
19歳 私は現在(いま)を必死で生きているのだ!!(どこがだっ!)
20歳 もう何年も想い続けているあの人と結婚…(え)

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どうやって書けばよいのか分らなかったのですが、こんな感じでいいでしょうか??一行で書かなきゃいけないのに、二行になってしまってすみません(>_<)






【inカリブ】
日紫喜友香

履歴詩

0歳 私は死にそうな稚魚だったけど
1歳 1年経ったよ、おめで鯛ね!
2歳 烏賊は海老へと進化を遂げる
3歳 秋刀魚の群れについていけない
4歳 それでも頑張って鰯は泳ぐ
5歳 海老は烏賊になりたいって
6歳 言ったけど毒をもたない河豚になった
7歳 鰻はうねる うねる! うねる!!
8歳 飛魚は跳ねる 跳ねる! 跳ねる!! ・・・飛べない
9歳 川へ帰っていく鮭にまた来年は帰って来るんだよと呼びかけ
10歳 暇つぶしにシーラカンスをみじん切りにして紙に貼った
11歳 ついでにシャチも貼ってしまえ
12歳 調子にのってスミを吐いたら怒られて茹蛸になった
13歳 口をぐわっと開けて鯨は歌い続ける
14歳 カジキ鮪の軍の大将になった(けど弱かった)
15歳 油ののったとろとろ鮪と一緒にいるほうが楽しい
16歳 鰤とハマチはおんなじこ
17歳 珊瑚礁の平原でひらひらふわふわすてっぷじゃんぷ飛べ!!
18歳 ヤドカリは新しい住処を見つけてお引越し
19歳 私は鯵の開きを食べて今日も元気です。

今日はしらすご飯も食べました。






【(授業用)履歴詩】
石川大輝

0歳で私は不幸を悟る
おんぼろバスが1歳の本拠地
2歳で現実とアルファベットに抗う
3歳で「そいつらを全部忘れます」を覚え
4歳でめっぽう優しくなる
「いや、優しくはないかもしれない」そう思わせるのはきっと5歳の私
男を知った6歳に
女を知った7歳と
人間を忘れた8歳が
9歳をとん馬と微笑む決意固める
馬鹿を恐れた10歳の私
芥川賞を真剣に狙うと決めた11歳は挫折
擬音語だけ信じるの12歳
あっち向いてよ13
あっち泳げよ14
消えた文字を15探して
虫になった16歳は
鉛筆の先のプーさんを愛でる17歳をメモして
「今晩空いてますを繰り返す」そうさエイティーン
歯茎に消えた19歳のうちに
決めておきたい20の秘密






【【提出課題】履歴詩】
松岡美希

履歴詩

0歳 わたしは  だときがついた
1歳 わたしはそれだときがついた
2歳 わたしは遅れてきがついた
3歳 わたしはたった一つぶの
4歳 わたしは米であればよかった
5歳 わたしは今朝置きわすれた
6歳 わたしは皿の上の
7歳 わたしはみかんであった
8歳 わたしは草つきの
9歳 わたしは硬く終結した
10歳 わたしはとんでもない実をもっていた
11歳 わたしはぽったりともてあましていた
12歳 わたしは「なんではっぱをたべないの」といわれ
13歳 わたしは「うさぎじゃないから」とこたえた
14歳 わたしは遠近法で向こうのりんごの皮をむく
15歳 わたしはオムライスの匂いに首がうく
16歳 わたしはそのままつかまれそこなって
17歳 わたしはその近傍を環流した
18歳 わたしは空が紫を垂らしたものだときづき
19歳 わたしはいつでも一行であることをおもい
20歳 わたしは目が入らないだるまの惰性で
21歳 わたしは終わらないバッファをみている






【課題:履歴詩】
伊藤由梨奈

0歳 真っ白なおしりからはじめまして まだ色を知らない

1歳 赤い靴をはいて海を渡った
2歳 ジョージアの緑風にあたる
3歳 青い目に染まっていく私
4歳 灰色のブレザーに包まれロビンと歌う
5歳 煉瓦の家の黄色いドアをたたいたら
   ママが「おかえり」というあたたかさ
6歳 けれど黒い瞳に映るのは 豆粒になったあのお家
7歳 大好きなものつまってる 銀色イギリスさようなら
8歳 太陽の国香港は 私を橙に照らした
9歳 日本人学校で あぐらをかいたら怒られた
   マナーの違いは色の違い
10歳 “ヘンカン”する私たち
11歳 心にいろんな色を散りばめていく 百万ドルの夜景
12歳 茶ゴキブリのように逞しく
13歳 エネルギッシュに育てたこの地に 
   透明な気持ちで「ありがとう」
14歳 日本の色がつかめず 必死に今日を過ごします
15歳 受験期は 真っ白な空に飛びたくなった
16歳 好きなものは高校と日本です
17歳 恋人ができて頬がピンクに染まる
18歳 箸が転んだのもおかしい 私の青春
19歳 賢く前向きにいきたい 紫の学生生活
20歳 大人になった まだまだ未熟なカメレオン






【課題:履歴詩】
新田晋也

0さい、おれは爆誕した。
1さい、脳細胞が色づき始め
2さい、やさしさに汚染された視界で世界をみつめる
3さい、積み木の土台は 不味そうな左手
4さい、くろい水面へおのれをつきおとし
5さい、耳のうしろの空間におびえている
6さい、つないだ手はつめたくて
7さい、クリームのなかになげだされた
8さい、迫害される愉しみをきざみ
9さい、不安は涙をともなって無味の気持をまきちらし
10さい、ファミリィは不出来な泥だんごとしる
11さい、濃い有刺鉄線で縛られた心は 遅効性の毒となって
12さい、わすれたふりをして虎視眈々と 復讐の錠剤 をのみつづける
13さい、どこまでも続く
14さい、底抜けのあおぞらよりもっと 灰色で
15さい、きれいでつや消しの感情のなかで歯がゆく
16さい、白球を追うことで精神の漂白をこころみた
17さい、色彩の孤独がゆっくりと首をしめ
18さい、いきぐるしさが恍惚にかわり
19さい、抽象画的自慰をおぼえた
20さい、視界=世界なんだとおもって
21さい、あつくなる心壁にとまどいながらも 頑なな紫煙にむせる






【課題 履歴詩】
小野寺奈津

0歳 生前からの影響は浴びるように
1歳 本家の繁栄は終わり
2歳 彼の存在は今でも感じる
3歳 ご飯を見るだけで気持ちが悪くなり
4歳 長生きはできないと言われようも
5歳 そんな運命は自ら塗り替える
6歳 幼さの中必死に日常を覚え
7歳 世界が果てしなく遠く思えた
8歳 一心同体の友達を見つけるも
9歳 それが永遠ではないことを知る
10歳 甲高かった声も陰りを見せ
11歳 恐ろしかったはずのものを愛してしまい
12歳 人間は分からないものだと知る
13歳 眉毛を青くした先輩に憧れを抱き
14歳 格好良さから新しい表現を始め
15歳 まだ見ぬ自分を夢想した
16歳 早く大人になりたくて
17歳 でも大人なんて大嫌いだった
18歳 ひたすら自分と向き合い戦う日々
19歳 結局自分はまだ何も知らないことを知る
20歳 まだまだまだまだまったく足りない






【履歴詩?】
金美眞

履歴詩

0歳の11月11日、帝王切開で産まれ、母のお腹に凄い傷を残す。
1歳の10月19日、私と似たような生命体が現れ、
しかもその生命体は私みたいに丈夫な子に生まれてくれなかった。
2歳のある日、私はド田舎のお祖母さんに預けられ、疎外感を感じたあげく
3歳の私は、母が近所のお婆さんとおしゃべりをしている間、線路に飛び降りる。

4歳の私は、マンホールにも落ちる。その時、頭がおかしくなったせいかな
5歳の私は、自分が15年後、ミスコリアになると思っていた。

6歳の私は、反抗期だったのか、夜7時という門限を破り、ホームレスになる。
7歳の私は、弟と喧嘩をした後、自分が殴られたことだけ父に言った。
8歳の夏、弟が買ってきた雛を飢え死にさせた。

9歳、弟が脳水腫で倒れ、その時私が書いたエッセーが新聞に載る。タイトルは「脳水腫」。
10歳の私は、弟を殴った奴の妹を殴ってあげた。

11歳の私は、貝殻みたいなものを胸につけられた。
12歳の8月、ようやく女になり、
13歳のあの子に、男と女は友達になれないことを教えてもらう。

14歳になると、クラスに自分より背が低い男の子がいなくなり、門限もなくなった。
15歳、その代わり、ギターと人の男を手に入れる。
16歳、その代わり、親友二人と彼が遠くへ去っていった。

17歳の私は親を叱る。そして弟に叱られる年頃になってしまった。

18歳、めちゃくちゃな二ヶ国語を喋りだす。
19歳、愛され、守られ、抱きしめられ、騙され、裏切られ、遊ばれ、捨てられる。
20歳、七年前、あの子に教えてもらったことを思い出す。




【課題:履歴詩】
飛山和也=立教文思一年=乱入

0歳  一閃の闇が裂く
1歳  眠れる獅子はそれほど寝ぼすけでもなく
2歳  目のない卵は目覚めない
3歳  葉っぱの欠けたクローバーは、(鴛鴦夫婦だが)
4歳  小指不足、
5歳  初めて火のないところに煙を立てたり
6歳  初めて後妻の寝所に未練を残した
7歳  このライオンおいらの子?
8歳  没・分・暁・漢!
9歳  運命は、銀座線の実感
10歳 手練手管につきづきし
11歳 被愛妄想たくましく
12歳 この指止まれよオニヤンマ(の息子)
13歳 傷害値死! 傷害値死!
14歳 伊達鳩胸
15歳 重心揺れる弥次郎兵衛、ハッ
16歳 八幡掛けてキングギド、ラッ
17歳 寝室まで至らず、裸体で待つ紳士、
18歳 ドゲンカセントイカン
19歳 紙ヒコーキで六大陸制覇、そして
1月14日 僕はもとの非日常へ オ・ルヴォワール


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

久しぶりの更新は日記ではなく、阿部嘉昭先生が授業で出された課題に挑戦してみました。
あ、僕はその授業とってないんですけどね。
乱入です。
どうやらサークルの先輩も何人かとってらっしゃる授業のようです。
詳しくは、阿部嘉昭先生の11月25日付けの日記をご覧ください。
僕の詩も授業で紹介されるかもしれないみたいです。
ら、乱入!
期待と不安、不安と期待ですね。






【なかけふの履歴詩】
なかにしけふこ(詩人=授業乱入)

阿部せんせの日記で紹介されていた履歴詩やってみました。
所要時間40分。
もっと刺激的なほうがいいですか。
これでも歴史やさんなので、おおぼらは吹けません。
それではドウゾ

なかけふの履歴詩

0歳 ふあんなさみしい母の胎に揺られてバリケードのなかの学舎を護る父に出会う
うまれたいうまれたい うまれてきた1歳のおしりにおとめ山の太陽が照る
2歳 ちっちゃないもうとが夏の日にうまれて僕らは都会から森と小川のまちに越した
3歳 おねえちゃんになった僕に架空の友達が現れる(ハロー僕はウルタ運転手ペンギンさ
4歳 ある日おうちにくろいしかくいぶったいがきて まいにちじゃんじゃんならしてあそんだ
5歳 幼稚園の教室の外には二階からの滑り台 まいにち架空の冒険 ほらをふいてた
6歳 いもうとが僕のおべんとうをまちがえてたべていちにちじゅうかなしかった

7歳 僕らは大聖堂のある街に越した うたったり森をあるいたり 家族で大陸を旅して 
8歳 毎週伽藍に降るオルガンの瀧にうたれた KIMONOの僕らをまちの新聞が取材する
9歳 桜の咲く東京で革靴を履いたおかっぱの僕は日系欧州人になった
10歳 ふるさとのことばをうしなうかわりにかみのけがちぢれ 
11歳 「おひめさまだいくさんになるの」公園の砂場に勇者の城塞を築き
12歳 こっくりさんをよびながらまいにち河原をスケートで走った

13歳の雨の降る日 とつぜん身体が重くなった(ねえわらわないでおかあさん
クラリネットと本とを抱えて14歳は涙目で世界をにらみつける
15歳 早くこの狭い街から逃げ出したくて英語を覚え 数学と物理の問題を解いた
屋上の昼食 屋上のアイスキャンディ 16歳の輝く真昼
あだなひとたちをとおめに列柱と青空をあるく17歳 そうさ僕の声は色っぽくなんかないのさ
歴史をすてて地理少年になれるはずだった18歳 数式と実験室が僕を拒むよ
そんな重いやつなんか担げるかとつきとばされて19歳 イリソスのプラタノスのにおいをかぐ

「しゅうさいってどんなひと?」少女のまま世慣れぬ書生たちの見せ物にされてわたしは20歳
ひたいのかんむりを地面に投げつけて21歳 トーテムポールごと脱走してモーツァルトを弾く
22歳 夏の地中海に照らされて遺跡の砂礫を掃除する
23歳 「君たちも世界でやっていけるんだ、だから闘いなさい」
24歳 師のことばを信じて男の国に留学する
25歳 ソプラノの声と男装と詩への信仰が人目に触れるところとなり
26歳 詩を捨てよと誓わされ 国外へと追放された

27歳 旅の楽僧たちに拾われ 尖塔や塔頭の並ぶ土地に流れ着いた
28歳 からだのなかに大草原を飼うギリシャ帰りの男に出会う 
29歳 そのそばにいるとあんまりあったかくってことばがふくふく笑うので
30歳 ああ神様、わたしはまた詩を書くことにした 書いて書いてみんなにみせびらかした
31歳 それだけじゃやっぱりたりない だから一緒に暮らすことにした(僕らはふかふかになる

32歳 突然男の国に呼び戻される(その声のままでいい 君を名誉市民にしてあげてもいい
33歳 ただし規律に従い 若者たちを教えること(先生、同志ラ・ファムが私に礫をぶつけます
34歳 外交使節のように朗々と演説せよ あらゆる賓客を厚くもてなせ(まだ未熟者なのに

35歳 釣り糸を垂れていたらチェルケスの伶人が釣れた 美青年だ 氷の海に舟歌を唄った

36歳 期間限定ペネロペのわたしはあたらしいにわのつちをたがやす (海が開けますように 






【【提出課題】(履歴詩)蔦状ゆびの帰趨】
阿部嘉昭

(履歴詩)蔦状ゆびの帰趨
阿部嘉昭

0歳 曖昧に生まれる、生れ落ちる、
1歳 一番地に住んだことなどなく
2歳 曖昧さに土いじりが混じる
3歳 以後、蓮華知らず。
4歳 母親を瀧と間違えて
5歳 (せかいは放出だなあ)
6歳 きっと暁に地下鉄がくる
7歳 それまでが自宅の雛壇
8歳 近所のおんなのこになりそこねて
9歳 べーごまを半ズボンで光らせた
10歳 最初の結婚は飼い犬と。
11歳 近眼が確定すればあとは眼鏡で
12歳 おんなのこの隙間の覗姦
13歳 代わりの視覚器具に望遠鏡もなかった
14歳 吸った煙草で抒情をけむりにすれば
15歳 何たるこの世の喩けむり
16歳 学習机を暴言異言で削る
17歳 おなにぃはギリシャの盛り
18歳 「菊もってこい」と怒鳴る秋もあるさ
19歳 そろそろこの野放図に見切りがして
20歳 天が下の唯我独尊に挟まる
21歳 挟まりつづける蔦状のゆびが
22歳 「くだらん、卒業なんてくだらん」
23歳 暗い稽古場で俳優志望をみる(遠い、)
24歳 わたしは虹の脚からも遠く
25歳 文字しごとを境涯のなりわいにする
26歳 見飽きたのだ、見る前からヴェネツィアに。
27歳 ジルベルトを組み伏して倭寇
28歳 絮をひろう散歩がつづく
29歳 紊も糺も鶴川にひろう
30歳 そろそろ悪運も月暈に投げて
31歳 たてがみが無事帰るようになる
32歳 この年、愛した女が十三人
33歳 最も使徒に似た穴と暮しはじめる
34歳 信心はさるすべり百まで
35歳 エレキギターも爆音させた
36歳 矮生、自著ノ系ニ入ル
37歳 千怪、ギンマクニ唄フ
38歳 赤目でアジアン・キス見続けて
39歳 勃起ははるか異土の域に。
40歳 円の輪郭がひかるとも知ったな
41歳 十字校舎で娘と息子が百人交叉する
42歳 手が詩を書きゃ巣も騒霊でガタガタ
43歳 箪笥の脇に「穴」が仁王立ちして
44歳 弁明がもはや色惚けた爺ぃさ。
45歳 きっと十年が双六になる
46歳 百年が干拓史になるように。
47歳 雨夜に心音の歌姫降りて
48歳 もうじきが人世の三が日
49歳 ゆっくり消えかかってもいて、

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