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    <title>阿部嘉昭ファンサイト</title>
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    <updated>2008-10-03T00:28:23Z</updated>
    <subtitle>「阿部嘉昭ファンサイト」では、阿部嘉昭氏自身から寄稿文がご覧いただけます。立教、早稲田で行われている講義内容も随時アップ。また、学生からの投稿原稿も転載しています。</subtitle>
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    <title>ネット詩集『頬杖のつきかた』</title>
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    <published>2008-09-12T02:22:05Z</published>
    <updated>2008-10-03T00:28:23Z</updated>
    
    <summary>『頬杖のつきかた』 阿部嘉昭 08年９月† ＳＮＳ、ブログで発表した詩篇を 創作...</summary>
    <author>
        <name>管理者</name>
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            <category term="poem" />
    
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        <![CDATA[『頬杖のつきかた』
阿部嘉昭
08年９月～
<BR><BR><BR>

ＳＮＳ、ブログで発表した詩篇を
創作順、未編集の状態で以下、順に貼ってゆきます。
よって随時更新してゆきます。
前回の『あけがたはなび』とは詩風に変化を刻もうとおもっています。
<BR><BR><BR><BR><BR><BR>





【掟として文法を、】
<BR><BR>

掟として文法を、滞った声で話したがること。
巌の熱のように割れて、言葉に蜜を乞うこと。
この喉の眼帯を外して、行き交いに十字の風を割ること。
暫しだけを、薊野に棘なして発声すること。
星を発生すること。（あるいは焔、）
寝台を焼いて、舟の黙示を砂礫に立てること。
女を剖いて舞台にし、腑のもろもろを役柄に回すこと。
それだけだ、羞恥をさば折るには頁を鉄で巻くだけ。
<BR>
螺子だとおもうか発条だとおもうかに猶予がある。
初冠雪までのしかし透明な猶予だ。
あらゆる呪縛の胸は書物の形態で伝道される。
伝道されて、貝の水底に緑の火も移る。
そういう言葉だとおもう、熾烈は。
熾烈が熾烈自身に熾烈なら、透明な猶予も短いだろう。
背骨を発火させて薄荷の優位を唄いたがること。
緑青以上にぶっきらぼうなぶざまで立つこと。
消えるまで、朝の前を黒い紙面に尽くすこと。
<BR>
瞬時、鱗のように沈んだものが諧謔に似た塵埃だ。
骨の内位。血の外位。産褥の中位。
腐刻画には朝でない光が、来る。
姿の別の　声として。
産まれたての死王として。
すぐさま転がる。
<BR><BR>

（08年９月、ミクシィその他にアップ）
<BR><BR><BR>

●
<BR><BR><BR>

【絲脳】
<BR><BR>

さりながら、世界の硝子体には腕を挿しこんでゆく。
半球の形状、その美しさを歩路の奥行きに重ねて。
（川は起源、（陸地を複雑にする、（割れている場所もあった、
<BR>
やがては川を擬人化して龍をなし、
水溜りを音声化して虹をなし、
人らは眼差しを郵送する習いに賭ける。遠流という。
上皇・後鳥羽は芒みちの双つにあすを岐れてゆく。
鳥のいとなみも、野にミルクをこぼして牧人を憂う。
蓮田から蓮根が抜かれれば騒擾が終わるのに、
湿地に橋をかけすぎて、欄干玉は記憶を転がった。
さみしい音がした――、
<BR>
身の紙風船、その気は保たれて、部屋の隅にある。
決して　打たない。（それを感じて出る。
なので季節をゆきゆけば、眼に窓・窓も強調された。
世界の硝子体には切った舌を挿しこんでゆく。
中域に跡の寄る場所があり、それが消えない。
足にとっての踵のように、消えない、だろう、
<BR>
にぶくある梨に輪郭のほとけ、
脂なく去ってゆく「人直前」にあった弱さ、
鍵盤とおもって触れた柔肌もすぐさま天の音階に曇った。
柱に縛った上代文書のこと。
家を縦型の調度で層にし、歩きにくくしたこと。
伴侶すら膝に置いて、対象から外したこと。
屋根を幌にして、生まれる移動も顧みなかったこと。
ついに赤子を胞衣に包みもどして、
内側に向く錯誤は、絮のようにも数多くあった。
ひかっている。
<BR>
喉骨から秋になってこの声がいかんともしがたい。
身は白さになってゆく。
絲脳のまま歩いて、秋野が足下に成った。
ぼやけた花の拡がり、
<BR>
身が軽さになってゆく。
<BR><BR>

（08年９月、ミクシィその他にアップ）
<BR><BR><BR>

●
<BR><BR><BR>

【針穴】
<BR><BR>

柳窪に醒める。――雨は肌のなかに降っている。
昨日　風呂にみた男の尻が割れそびれて、数多く切なく、
葡萄球のごときものを　脱ぎ捨てられた女の空蝉へ放つ。
そこに音声がこだまするか。
むろん朝は悉皆。まるで朝しかないだろう、
更新され傘の骨が磐石になるのも。
<BR>
七草を伴ってゆく。人形と旅する気持で。懐中が円い。
俳諧を語るこのふたごころで、野を二重にひらいてゆく。
観音びらきになった女の　おかずと飯のような賑わいは。
いつも外れを途切れて、朝鴉の不遜も利かない。
すすきになるものを尖った口先に銜え　絮の以後を鎖す。
五七五のなかに割る空白を何音にするかはっきりしないが
この何音かが観音だろう、詩は必ずが言い了せない。
のぎくにまで墓をつくっては
土地の意図も密になりすぎる。括れよ、
（だから箸をもって旅寝までをずっと空費した
（はかないが、地上を喰う気概だった、
<BR>
Ｚの種族とやらに乱参して、
世界映画のエンドロールに名を刻まれる。
世間では情に紫が勝ちすぎた。やがて、
ふたたびが　ふた旅であるためにと暮れ方にも醒める。
あるいていてもくしゃみをしても　一人ではないとおもう。
霖雨の黴は幼い水掻きを飾った。もう泳がないだろう。
<BR>
鐘おとを響かせてゆく僧形も僧形ではない、――音だ。
私の書く手も労働ではない、――音だ。
耳が澄まされてゆく、さらさらした霊の流れに。
脳髄を芯に設けて下肢を忘れることすらあるかもしれない。
忘れられた下肢が憤る蟄居もあるかしれない。
平衡を失い　検疫に反対して、白くなった犬の病性を守る。
むろん守るとは見ること。少ない範囲だけ見て、
あとはかぎろいの、野が余白。身に泌まない、
茶漬けを腹に流して　知る神経の遅れが遣る瀬ないかも。
<BR>
膨らむ春にたいして　収縮する秋だろう。
ひとつの茄子は茄子紺に分割された世界を画く。
表面に映される周囲が哀しんでぼやけている。
その傍らをとおってこそ、
通ることが透ることにもなる。
いずれこのあゆみを
針穴へ、
<BR><BR>

（08年９月、ミクシィその他にアップ）
<BR><BR><BR>

●
<BR><BR><BR>

【流体流離論】
<BR><BR>

遠近両用と雌雄同体が似た。誤謬は心許なくなって、
からだを夕暮れの　秤を置く場所へずらす。
骨折の内示が身にあってこの弱視が豊か。網だろう。
<BR>
柱として家を脱ぐ。魚霊の晩めしを裏返す。
早すぎる寝床からは星井として季節を見上げた。
うすものが、ゆれている、
<BR>
雄松と雌松が筋交う石松の通路をなげく。
あらゆるものを溶かしだす寂光が歴史の遠鏡だとして、
あなたの見たものは　石の河原、座礁した乗り物の　何か。
<BR>
屑に仕え　屑を窮めて死ぬ転覆的な選択で、
紙屑のように捻り棄てる身銭の泪もある。
賭場や硯で命を研ぐにもまして
墨色で草の揺れの描かれた大衆浴場のさみしさ。
だから金毘羅よ、これが代参だ。そうして犬になった。
<BR>
数日来、霊を噛んで引っ張っていた。
膠のように料あやまった赤月の饂飩があって
優曇華のまぼろしに眼のやさしさがつぶされてゆく。
犬を脱いだ犬、星の降りつづける流体。
交む対象が何であれ、腰紐を引いて静物の理を見た。
静かにあるものは己れを炎えている。これも眼差しだろうか。
<BR>
関所の難題はいつも同じ、「ここで円を描け」。
けれどみながすすきを描いて　道祖に縊られた。
みんなの場所の、挫折のひしめき。ばきばきと音がする。
<BR>
その脇を伝令なら光速で走らねばならないが
達しが「この使者を刺せ」では
犬を脱いで、
あらぬ境を流れるだけだ、はたてを、
<BR>
逆流して、
あすは身に墓を立て、二階の高さで四万十のさなか透明に佇つ。
一秒以降を　一秒から離れるために。
<BR>
身越して、のちをかぶく。
<BR><BR>

（08年９月、ミクシィその他にアップ）
<BR><BR><BR>

●
<BR><BR><BR>

【草耳】
<BR><BR>

聴いているそばから全体が掻き消え、
刹那が、鱗となって空にきらめく魚の一態ならば。
耳は同属にちかい魚類によってこの耳を失う、
耳は難破する耳は風を聴かない風に耳が運ばれるだけだ
耳に飾りは要らない飾りに耳が集まるだけだ、
<BR>
学徒のころ読んだ歌集の一首一首の屹立、草の理。
屹立を呟けば口に籠もる音によって耳の領分も内に開かれる。
開かれ解除され開かれ解除され躯が曖昧になるこの感覚が
絲のようなものを遺伝に再伝達しむしろ災厄は私に似てしまう。
どこを歩くのだという自問がまったく私のかたちになるその災厄だ。
意味（男）より音（女）のほうが旧いのはいかんともしがたいこと、
空気のふるえ否、所与のくうき否、音の宿命こそが諾、
伝達媒質によって生物は伝達性を複合され　それ自身を遥かに失う。
（本来的な荷物の受取り手は存在しない、（だから荷物自体も歩く、
いつしか旅程も終わりを解かれてしまった、
<BR>
旅に旅をかさねて、音の領域とは何か。
このアポリアに　草の形態が対置される。
馬をも拒絶して藍のもと地表を揺れている茫々たる草千里、
誰も訪わないことで定位される現在ではない電圧領域があって、
ひとつの個別が全体の抽象に即時に跳ね返る、
そんな揺れているものがどこにでもあるのだ、
楽章と名づけられる孤独なその高原は宇宙を擦って残余がない。
ただしその一本一本が贈与となるから祈りの姿でも知られる、
それは近づく、遠ざけない、
<BR>
傷口に草を置くと、ときに身を楽音が流れる。
ちいさな不定の、ちいさな治癒力。（むろんそれは躯自体だ、
（ならば草は身に反射しているだけだ、
空無を定め　やがてはそこにみちる草があって、
（この反射が音でもある、
草で魂をあふれさせようと入るとすべて関係が音に戻ってしまう。
哭く無底なるがゆえに草と音と身が鼎立するのかもしれない。
復状する星の宿命、しろがねやしろたえや円筒状のもの
耳孔が夢の入り組む空間を形なし　私はこの星にただ草を聴いた。
<BR>
二音単位が絹より擦れる曖昧な高潔を鼓膜に放生しては、
脳髄を太鼓の空白にし、同時にそれを反映の図幕にもしたのさ。
音導入のための　さみしい草耳がその世紀にあった。
結び切れて結び切れるこの植物性の結び切れは最後には結ばないだろう。
<BR><BR>

（08年９月、ミクシィその他にアップ）
<BR><BR><BR>

●
<BR><BR><BR>

【Ｑについて】
<BR><BR>

「門」の字の象形性では　その空隙部分が気になった。
家を鎖しているひとの　心情と季節がそこに遊伴して。
枯葉が舞い込んだり鹿が浮かびあがったりするとおもった。
<BR>
秋隣を考えた古賢はその寂寥の姿がうつくしい。
あるいは　いぬふぐりと神曲とにも隣があって
相互が具体として織られずに　隣接のみ泡立つ季節があった。
<BR>
そこを歩いた。徒歩という、われわれの魂の乗り物。
足許が乾いた音でコーンと鳴り、水溜りも深くなってゆく。
きやきやと眼路の果てに上昇するそのうすものは何だ、
（誰が夏を脱ぎ捨てた、だが過ぎたものこそが無残なのだ、
<BR>
Ｑの姿に手許を曲げてゆく、自分範囲の信心のために。
モナリザの髭のようなものだとおもうが、銀色で、
周囲のガラスによって、己れ一個が空気に透過されているのも奇異だ。
<BR>
古来から絮や粒といった残像には　天使の無魂がみとめられた、
札だって無意味に立っている。
そうした無魂となるために　肌の鏡も領域的に磨いてゆくが、
周囲をそこに映しても何の警告にならないので、
すこし冷えた果物の手触りだけで、一節を、隣のない氷菓にしてみせる。
風も添わないそこに　頭上の塔が
海中の藻なのかちいさく立つ。以後、標的として波間を隠れる。
<BR>
そんな映画だった。残像の淋しさがあって映画の淋しさもある。
それがそのように動くことも恐怖の源泉であり懐旧だった。
映画を観て、階段を上りきったようなわれわれは無反省の階級に入る。
白黒の動きをいくど銀色と嘆じながら記憶しようとしたか。
そうしようとして、自らすら記憶から外し　消えていった。
消えた悉皆には天涯があらわれて、傾きも暗くなる。
<BR>
久方に食事を摂った別の日にはまたガラスのなかへ立ち返って、
国の貨幣が刻々と手のなかで価値を失うのを、身をぼかしながらみている。
乞食の時はここに舞おうとしている（アジア的なそれに変えねばならない、
女神を描き損じたなら、もはや手も葡萄や梨を存分に撫でてよいのだろう。
撫でて分ける。手のなかに。まぼろしを。
消えるための秋穫というのか、
あるいは　これもまたＱだ、門だ、
<BR><BR>

（08年９月、ミクシィその他にアップ）
<BR><BR><BR>

●
<BR><BR><BR>

【頬杖のつきかた】
<BR><BR>

女のことで死んだ暁は　楡につながれて息災をおもう。
都市が硝子の段階に入って、白狼系も居心地を失い煙となった。
同じように否まれるものたちの命運など埒の外に棄てられるが、
この廃棄を地図として、夢想の糧ができ歩みも促される。始まりだ。
<BR>
多くはそんな子供なのだから、鬢油で固めた黒いものの流れも。
哀しい対象であって、遠くに視る。とどまった川は。二死は。
過ぎて馬鹿ばっかりだ、太鼓のなかも。そのまま齢をとった。
<BR>
荒れ果てているのは慰撫だとおもう。確信の隙間に暮らした。
拾う動作を幾度も蘇らせるこの脳髄が美しいのか人が美しいのか。
ともあれあかるい足許がへんに近い。他界だろう。
<BR>
夕暮れの雲が流れて。
美田の祭にゆくのだ、きれいな水を保ちながらゆっくり回す畦に恋して。
枯れた極楽鳥を背負い、これからはゆくのだ。
<BR>
矮小にも佳い型がある、伸びて赤くなった土筆のようなもの。
筑紫国を無量のあきつがとおって。盲目の意味も瞑目に転じた。
<BR>
水祭の稲を手にたっぷりと享けてむしろわたくしを頂戴する。
追尾する多くの音楽的な爬行。透けている、みなで笑う。
笑って迎えるそのなかで　秋の人も秋の顔をしていた。
行く末の多岐をおもって、あたたかい籾殻になった。
冬にはならない、
<BR>
幾度も死んだことの帰結が、自分で自分を囲むこの頬杖だろう。
半円を巻き込むしずかな巡りの内省。私心の内政。
身を今日の残余のとおりみちにする、幸なかばの置きかたから、
うすばねの脈も　紛糾を流す貴族院のうしろになる。
背後が見た目に薄くはりつくから頬杖でまわしているのだ。
形骸のような自己再帰ならありうるこの優雅なかたち。
むろん崖に停まってはいない。私はむしろふたりになろうとしている、
その眼路にあれば申し分ないのが　恣意で置かれた柘榴のいろだ。
<BR>
集合がハーメルンであろうともしている、街外れを放ったまま。
誰も連れ去られなかった、
黒騾馬の一にとりわけなりおえようと。
身に螺子があったからだろう。――その螺子をもおもう。
<BR><BR>

（08年９月、ミクシィその他にアップ）
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●
<BR><BR><BR>

【秋鮭】
<BR><BR>

花乞の私は多くの反故に包まれているが　そこから
砂金のついた　うつくしい和紙をよりわけることはできる。
ただし場所が吟味されねばならない。日の黄金の川でだろう。
減る場所に減る私は減少の減らしにも荷担したことになるのか、
それでもそこに滅がちかく　暮れればひたすらな暮れかもしれない。
<BR>
くれくれと請われ　壊れた。
捧げ受ける、あじすあべばの黒い宮殿のようなもの。
ぬに濁点を打って遁走した黒菊のその後にこの着物もながれ、
もだしそめた数日の秋虫の代わりには数日の露を呑みつづけた。
世渡りは浅い渡瀬の探し、鰭の赴くままということでもない。
誰かも忘れて抜いた簪を帯びて　此世、髪の流れに更けてゆく。
ときたま黄葉が瀞を覆っている。
<BR>
（にんげんの声：）
双子の兄妹をそれぞれ「港」「岬」と名づける計画も失せた。
暗野とはうしおのみちる時間圧制の代替。そらで繰り返し弾ける。
おまえは鳥に向かいどのように老けるのか。瞬時は水になるのか。
さんざん枕いてもわからず　陰の茎は花のない怖れに染まった。
舫うものの港にたいして沖を指す岬は鳥の鳴き声でとがる。
糸となるまで、ならば　陸地の輪郭も常に騒擾だ。考えない。
ふたたび日が巡って内海への入江のように或る内域を呑んだ。
庫裡なくて宝蔵をかがやかすため、
<BR>
なぬかの虹に茄子円くなる、――挙句を吟じたつもり。
茄子を刺身にして虫とは起源のちがう鈴を庵にあい鳴らす。
小皿に醤油をさし脇に山葵を置いた。
このとき私のまえか私のなかに女が混じっているのが、虹だ。
景色の全体も鳳凰の降りた形状で、おそろかに金木犀が香っていない。
遊糸で近隣がつながって家々には粥の温みを訪ねる。
私と分身の秋、
反故を分身にしての韜晦も　遡上する鮭のさわぎに似て
そのように顔がだんだん旧くなってゆく。
<BR>
眼鏡をかけた鮭、それでも川虫を見ず
変わらぬ水のようなものを　なぬか追う。
疲労死の寸前は、暗然と浮いている。
<BR>
（鮭の声：）
おまえはただ産卵に精子を撒け。
呪われはつねに畑違いを伴うのだから。
こんどの死後はおまえが糸となればいい、
<BR><BR>

（08年９月、ミクシィその他にアップ）
<BR><BR><BR>

●
<BR><BR><BR>

【不運になる権利】
<BR><BR>

雲の自重で野を流れて、自分は何の証言者になっているのか。
彼岸花に出会って変化する心理というものがあって、それだったり、
花電車という美しい言葉と離反するように
恋が綿密な紐帯となって夜を奔り、やがて奔走ゆえに消えてゆく切なさ、
そうした事物的な覚悟にたいしてだったりした、
<BR>
燦爛と荷運びする。荷台が銀を発している。
流星の算えられる幅にいつも旅の一夜があるとしても
夜は数によってではなく　姿によって識られる。泣く尾の空。
動く私は接合のもつれる位置にいて、それでもひたに接合を統合する。
接合と統合が同じだといおうとして　曖昧な王権も手にしている。
恋する女も事後的に面影をぼかすにつれ、不眠飴の口内の溶け、
しかも不思議に冷えた溶解となって、なべて「マルト」と名づけられた。
夜にたえずハンドルを握った、
<BR>
その心を規定する色を　便宜的にその肌の色にもってきて、
手中された心はとりどりにまわされ、ひとの心もおのが心にされる。
運転席からみえるものとはおよそそんな縄のようなものだ。
<BR>
不幸を、ひとの面影を鮮明にする調達だとは何もおもわず、
不運のみを、絵の全体を統一し額縁のそとにさえ延びる色調とかんがえ、
しかもそれが人と人のみならず地上すべてを架橋する具体とも捉え、
不幸・不運、このふたつの「なる権利」のちがいを確定した。
<BR>
不運にある者のちいさな崇高さは　蛇を同道しているのだ。
それでも植物性受苦と葉脈を　風を割るように展覧し、
その風のゆくえも一瞬にして閉じる、凛冽に。
眼瞬きの間に似合う在世がしかし以後も間歇状にちりばめられて
地上の息を内側に織る。（の）を介在されてこそ彼女が彼女の所属となる。
<BR>
海辺にある心、肌色の心、風に吹かれて刻々不鮮明になってゆく心。
こころにいつぱいあるぜんまいや　つたや　つむじや　うづしほは
もはや（の）でみちあふれた自分への手紙だった。
（の）が共通項、だから　わたし（の）あなたともなって、
<BR>
草として落涙した。
不運なひとはそのように周囲を綜合されて美しかった。
そこを蛇となって　長く蛇を運転すれば、（の）も次第に解けてゆく。
権利として不運を寄せては　離れてゆくのだ、いくつかの夜を、
<BR><BR>

（08年９月、ミクシィその他にアップ）
<BR><BR><BR>

●
<BR><BR><BR>

【天国義足】
<BR><BR>

ねがわくは天国義足でシラクサの地を踏む、白昼の白に暮れる。
鱶のたゆたいをつうじて海は悠々と成熟してゆき円グラスとなった。
世紀をまたぎそれを呑むと、義足の天国があかるい雨に散乱する。
来信は相変わらず自己から自己へ。これが行く末の白蝋化だろう。
<BR>
机を塔のたかさに建てる、あやまった学問のうつくしい反骨。
俺だろう、反った骨を内在して葛の道をゆけないでいる。象牙も目指せない。
出現を誤ったバリケードだけの阻止。けれどそれを「素姿」と発音し、
眉に透明を積んでは、この停止を焔と灼いて消滅もゆき暮れてゆくのだ。
交易を。あすはあすのひかりに濡れた舌と舌を。
あすはあすの空に散った雲雀を眼に料理して　脳髄に夢殿を。
<BR>
手術痕ありますか。奴隷の膚の浅黒のなめらかさに歴史が露光する。
水底に川の模様をそのまま映した藻　それらを日なかにずっと算えて、
公家よ、恋に焦げた手前勝手な手術痕ありますか。
距離がなくなれば燕の来信もうるおう、というのだが、
<BR>
疑ってみれば靴下より大きい世界などないだろう。
裏返してこれがわかる。
<BR>
天の一部として
あらゆる隙間に身を滑りこませた空白が　平均の倫理を建てる。
このあたらしい立脚のバリケードが　聴く耳には難攻不落だった。
規則というものも　匪をゆきかわせる万里の長城の工程計画にすぎず、
聴覚上　海風の向こうが恋着の宮ともなる。なべてはかない。
義足を撫でる人足たちの安息日。円く納まっている散逸もあった。
<BR>
汀を、汀となってゆくための天国義足を。
周囲の白昼と和すため　おのれを灯しつつ歩く根拠を。
義足は杖の身体内挿だが、幻燈に似合う遥かな人影でもある。
歩行も前足と後ろ足のぎこちない獣性に割れて、
足を引く神のあとには、それとわからない四つ足の豊富な時節がやってくる。
足跡を散らして　なお足跡の判明しない硝子渡りのために、
以後の巷をつくる行き交いにもこれら古拙な天国義足を添えた。
<BR>
半眼する義足をつうじて　無限分割のさみしさをゆく。歩き－見る。
下半身で建てた自分は　こうして地図裏の秋をずれる。
秋のないシラクサの、茫々たる白い草叢を　ただずれる、
<BR><BR>

（08年９月、ミクシィその他にアップ）
<BR><BR><BR>

●
<BR><BR><BR>

【綾】
<BR><BR>

綾【あや】刺繍上の脱意味的突端。歩行とあわせると眼路に立つ。
流浪の多くにある幻影。一字で女子の名にも用いられる。
変態前の蛹の体液など、液体のなかにひしめいて眼を刺すこともある。
失語となって織られないので「言葉の綾」は慣用的誤用、
正しくは「挙止の綾」。
<BR>
【例】《言語田に綾なす剣のまつりかな》（藤原衰微集）。
《綾くるふ唐織にして魔の夜は野辺のいましを帯とほどくも》（紅顔帖）。
《初市の綾は、先だつての散財で、陸続をうしなひ代りに坊を得て、
托鉢の悦びに麦をゆきながらも閨の庇護下にあつた。以来三年。》（追徴）。
《崖下は錚々の綾、とばずして千代に砕ける体内の鳥》（とほくながれよ）。
<BR>
綾【あや】藤棚の下の思い出。交配のため花粉がくだるのをみた。
私が緩慢なのか花粉が緩慢なのかは知らないが　秘密の午後とおぼえる。
以来の藤は誰も着ない着物と垂れて、とりわけの秋にその濃緑を窮め、
あらゆる茶に要らぬ翳すら差して、茶会を陰惨な針打ちにせしめた。
座敷の童子、川原の翁と並び、藤棚の下の空白に棲む、爛れうただった。
<BR>
眼が記憶で重くなれば　躯を遣って、綾を殺到にゆかせよ。
声ごえに灯るいさりの離れに　機の沖で織られる瑞性の息。
一体の刺繍に刺客群がって、針千本の念願が戦禍に浮かんだ。
オスマンは刺す万の都を散らす、女の瞑目の下にある果物も熟れる。
<BR>
手長となった彦だ、私は。もてあましては縮むための短目をつなぐ。
はやさかに速すぎの霜が降りて　あまた滑ってくるきん色の綾。
が匂いの木犀だろ。あいかわらず杉は夜には星月を刺しているよ。
が吃音の隧道だろ。芒手はそこをひろげては甘露の連関をつくる。
が愛讃の常道だろ。餐する前に婚する。食べてからだ、燻製価値を振り返る。
<BR>
石鹸と石鹸の接合が風呂の愉しみだった。
おんな殺して何のオペラか。ずんべらぼうで浸りつづけている。
<BR>
綾【あや】綾さん、地平となって降誕してよ。
こんな稲眼となれば　黄金にも末期がちかい。
（しょうがねえな、カネじゃなくて財布を算えてんだ、
晴れ渡りを奇貨に
誰もいない潟渡しの橋を今日もひとりで渡った、そんな綾さんも俺だろ
<BR><BR>

（08年10月、ミクシィその他にアップ）
<BR><BR><BR>

●
<BR><BR><BR>

【空へ巻き上がるまで】
<BR><BR>

胡桃から胡桃へわたる同意、秩父の砂洲を殖やしてゆく。
鹿に川を渡らせようとするのだ、根拠地を草につなぐために。
浮かべるものが水面のてまえの微笑だとして　気配もつづいてゆく。
仏前のあと仏後がある、錦繍に眼の赤くなった最初と最後のように。
<BR>
一鳥飛翔の多色。定めてゆく位置がそもそも色の推移で、
食べてからずっとを糞にするまで　音のようなものを夢見ている。
自損の優位あって来迎の鳥が金泥をえがき。私の腹にも抽斗がひとつずつ開く。
手鞠なのか麩なのか、女子の往年も変わらず成らない。無音となるだけ。
夏の空間を細分していた蝶道が黒い風に刻々やれてゆく。
たちどまって視るしぐれや暮れを、手の盆で受けては微塵の身だ。
<BR>
雨域は海上を颯と奔っていた。その雨域のように集合性がある。
この集合性がもはや通路でないとしても、のこった歩廊のさみしさは何だ。
国道駅から海芝浦までの短い旅、ある日の車中は銀にあふれ外界にひとしい。
被服をはらってそれで奥処へむかう。
海上の道の最後に刺さったソーキを、讃嘆しつつ、曇る鶴見に啜った。
<BR>
路線で織られている都市。バスは乗客以上のものをはこぶ到来だ。
路上から幾度もその顔を覗きこもうとして、視覚が舎利に近づいてゆく。
落としてはいけない、里であるわれわれの大和に黒海のしみは。
夕光の泥みにまもられて遠近にひとの佇つ地上が　柿の樹液に沁みわたる。
あまい渋を相聞に盛る智慧。行き先が行き先でないと識って炎える恋もあった。
<BR>
七期を笑いながら奏した。
いつしか鍵盤も句帖に代えて。
《蝶一頭ほど輪郭のある犀の佇ち》、
象徴のもつフェロモンを追っていた。
<BR>
アルカスが熊になっているカリストを射ようとした。
母殺しを恐れたでうすは《旋風で二人を空に巻き上げたんだ》。
それが大熊座、小熊座。
（良夜になれば万象も星にちかいとしれる、
<BR>
巻き上げられるまえのひとびとも大円に似た百人の座となり
捻りながらしずかに呑むことで　椀の濁り酒に変わろうとしていた。
ことばのないうたげを経れば　いつしかしろい百人となって野に眠る。
わずかだがそれで秋の冷気が打棄られて時の進行が鈍った。死だとしても。
私と妻も　そのなかにうるんで、
<BR><BR>

（08年10月、ミクシィその他にアップ）
<BR><BR>]]>
        
    </content>
</entry>
<entry>
    <title>新句集（題名未定）</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://abecasio.s23.xrea.com/text/poem/post_17.html" />
    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="http://abecasio.s23.xrea.com/mt/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=1/entry_id=428" title="新句集（題名未定）" />
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    <published>2008-08-21T21:32:00Z</published>
    <updated>2008-09-09T04:01:00Z</updated>
    
    <summary>新句集（題名未定） あれからネット上に発表した俳句を 以下、順番に貼りこんでゆき...</summary>
    <author>
        <name>管理者</name>
        <uri>http://abecasio.s23.xrea.com/</uri>
    </author>
            <category term="poem" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://abecasio.s23.xrea.com/">
        <![CDATA[新句集（題名未定）
<BR><BR><BR><BR>



あれからネット上に発表した俳句を
以下、順番に貼りこんでゆきます。
これも順次更新の予定。
前句集『草微光』から新たな句風が成立するか？
機会句が多いので成行き次第となりそうです。
<BR><BR><BR><BR>





山蛭や黄泉となるまで著莪を吸ふ 
<BR><BR><BR>


山蛭もて不動山往き娑婆は荒る 
<BR><BR><BR>


山響は億万のこゑ蛭の飢 
<BR><BR><BR>


山藤に棚なくて白爛れたり 
<BR><BR><BR>


口よりぞ我も出でゆけ出羽つ瞽女
<BR><BR><BR>


襖より少女を嗅いで葱冴ゆる
<BR><BR><BR>


夢喰つて快刀乱麻獏女（ばくぢよ）斬り
<BR><BR><BR>


接いで剥ぐ少女の原資よるがほに
<BR><BR><BR>


凝血なく白くみだれてロトの裔
<BR><BR><BR>


夏むすめ下着をとほき樹に置けり
<BR><BR><BR>


はつあきは蜥蜴のゆびでまはす水
<BR><BR><BR>


躯には銀漢のあと漆食む
<BR><BR><BR>


総身より滝出でゆきぬ鬼と寝て
<BR><BR><BR>


少女往く還りは骨の小さ鳴り
<BR><BR><BR>


連夜をとめとなるものを視る蓮かげに
<BR><BR><BR>


をとめごの蛇腹部分に蝋を塗る
<BR><BR><BR>


髪に火を点け瓜とせし乙女かな
<BR><BR><BR>


おのづから桃濡れてをり恋の芯
<BR><BR><BR>


身を消せば銀いろにこの恋終る
<BR><BR><BR>


枇杷の森に少女がふたりそれも枇杷
<BR><BR><BR>


猫を越すこの脚を斬り世を流る
<BR><BR><BR>


項とはきやきや生（あ）るる魅（もの）のもと
<BR><BR><BR>


風鈴を脳髄として少女寝る
<BR><BR><BR>


白雨にて消えゆく契り川にゐて
<BR><BR><BR>


草鳴りの奥に女の厠かな
<BR><BR><BR>


吸盤の付き弱まりてあの世乞ひ
<BR><BR><BR>


転写、八月の終りは長く銀貨舞ふ
<BR><BR><BR>


をみならがつどへば母の疾風（かぜ）湧けり
<BR><BR><BR>


耳畳み蜩聴かず幹に凭る
<BR><BR><BR>


天上は女だらけに大火かな
<BR><BR><BR>


静脈の透くことありし夜の雷
<BR><BR><BR>


忘八に似る忘我にて葵枯る
<BR><BR><BR>


炎あらば双葉ををみな二匹にせむ
<BR><BR><BR>


水難を女難に代へて接岸す
<BR><BR><BR>


パライソは孕む同胞（はらから）ひかる原
<BR><BR><BR>


行く雲ををみなに見たり今日の繭
<BR><BR><BR>


わが女声閉づるがごとく本を閉づ
<BR><BR><BR>


脳幹に喜女顕ち以後を翁かな
<BR><BR><BR>


背を腹に代へよドブロク小路燻ゆ
<BR><BR><BR>


肥ゆる馬禾原にゐて怖がりぬ
<BR><BR><BR>


秋の蚊もあきつも弱し夕浄土
<BR><BR><BR>


遠国の絃黄金（きん）にして楽を刷く
<BR><BR><BR>


紅葉手をひらかぬ星霜千と一
<BR><BR><BR>


霧の夜は草鞋ふたつを眸（まみ）にして
<BR><BR><BR>


困憊の苔をとどめよ秋の亀
<BR><BR><BR>


錦鯉朝めくるごとぬつと寄る
<BR><BR><BR>


陋屋に追慕の粉のやうなもの
<BR><BR><BR>


絹空を雷ちかづきぬ黄泉に似る
<BR><BR><BR>


ものものしく老けて手桶へ水を取る
<BR><BR><BR>


虚帝らと浮世の外の風呂にゐて
<BR><BR><BR>


終章をひくく唄へば白蛾舞ふ
<BR><BR><BR>


字を書きて泥鰌流るる軸の底
<BR><BR><BR>


地震（なゐ）ののち澄む井戸水に畏怖ひとつ
<BR><BR><BR>


朝寝後のおぼつかぬとき使徒を追ふ
<BR><BR><BR>


火を呑んで肋ばらばら扇鳥
<BR><BR><BR>


減少を詩にしてすこし右手透く
<BR><BR><BR>


粟粒に来世をみれば小さくなる
<BR><BR><BR>


没頭のごとし桔梗に頭（づ）を容れる
<BR><BR><BR>


蜻蛉から棄教を継いで衰（すゐ）の日々
<BR><BR><BR>


少年を餐後炎やせり鬱金粥
<BR><BR><BR>


鉄菱を来し方に置き夢路ゆく
<BR><BR><BR>


四不像の鵺の悲をもて詩集編む
<BR><BR><BR>


おもひでの川を垂らして湖（うみ）の鬱
<BR><BR><BR>


吟行は銀に遭ふ旅すすき世の
<BR><BR><BR>


鈍痛に似て檻なかの鷹の羽
<BR><BR><BR>


花の数くづれてただの数となる
<BR><BR><BR>


問答が川しもへ往く猿と猿
<BR><BR><BR>


青降つて別世界なり茗荷谷
<BR><BR><BR>


彼岸まで千句ほど憂き幅もあり
<BR><BR><BR>


詩相とは昼のほのほの視えがたさ
<BR><BR><BR>


のどくろや三界に白なく焼かる
<BR><BR><BR>


飲食（をんじき）に草を添へては身を騾馬に
<BR><BR><BR>


まなそこの樹齢を破る無色虹
<BR><BR><BR>


朝朝に露ある恋のおろかさよ
<BR><BR><BR>


鰭なくて泳ぐレテとて底は秋
<BR><BR><BR>


乗る背なき人牛（くだん）かなしや何問ふも
<BR><BR><BR>


複眼をねがはずもけふ蜂の貌
<BR><BR><BR>


妊み女やかぜ膨らまず白流る
<BR><BR><BR>


をみな率（ゐ）て遊山の果てや武具の塚
<BR><BR><BR>


的なき世かぜ着流して歌となる
<BR><BR><BR>


明治とは帽子の世とよ絮の原
<BR><BR><BR>


水と水混ざる他界のなかをゆく
<BR><BR><BR>


満願にならない曼珠沙華の型
<BR><BR><BR>


千歳後の倭人伝かなこの俳も
<BR><BR><BR>


竜飛などおもいて脳裡の風分ける
<BR><BR><BR>


まぼろしや朝顔鉢の十の花
<BR><BR><BR>


しろたへの鹿組み伏して綺羅綺羅す
<BR><BR><BR>


黄金（わうごん）や百寝ののちの我を労（ね）ぐ
<BR><BR><BR>


あばれ鶴天下の凪の外に炎ゆ
<BR><BR><BR>


鬱境や羽蟻透けゆき眼路も透く
<BR><BR><BR>


おぼつかず境界霊と汀見き
<BR><BR><BR>


物陰の十や二十が過去にある
<BR><BR><BR>


越年や羽搏ち蚤を野に払ふ
<BR><BR><BR>


野葡萄やおのれ解くまで滞る
<BR><BR><BR>


悪銭を身につけ赤き銀杏を
<BR><BR><BR>


かひやぐら周囲を食める善一生
<BR><BR><BR>


この道が外道に岐れ薊咲く
<BR><BR><BR>


烏賊好きのやがての燐を家に飼ふ
<BR><BR><BR>


河に葬る駒鳥などや不遇われ
<BR><BR><BR>


砂洲を消す河の世をゆく水めきて
<BR><BR><BR>


生まれ地は河洲の脆さ山女啼く
<BR><BR><BR>


河辺にて漱ぎ口より秋となる
<BR><BR><BR>


あなうらの鱗笑へる渡河ならん
<BR><BR><BR>


城装束と白装束遭ふ男坂
<BR><BR><BR>


白桃のうぶげ夕時の因陀羅は
<BR><BR><BR>


白白とくりかへし嘔き線となる
<BR><BR><BR>


白さもて乞はれ眼ぞこ闇ふかし
<BR><BR><BR>


白芒の泳ぐ野を死後厠とす
<BR><BR><BR>


白なまず真水を往きて白盲す
<BR><BR><BR>


白なまず憂き水煙となる世まで
<BR><BR><BR>


月界に糸の城あり町亡ぶ
<BR><BR><BR>


貝の引く潮むらさき海の墓
<BR><BR><BR>


遊女たれ銀の芒の泣き揺れは
<BR><BR><BR>


海人（あま）睡る鯨なき世の銛ひとつ
<BR><BR><BR>


産道に流星あつて忌みの明け
<BR><BR><BR>


都鳥あばらを欠いて朝に満つ
<BR><BR><BR>


珊瑚死の屍毒かなしき南指す
<BR><BR><BR>


麩のみ食（を）す一季節あり減我境
<BR><BR><BR>


灯ともさず暗誦のここ獣あり
<BR><BR><BR>


絹を着る身に流れそむ砂金川
<BR><BR><BR>


徒手のまま星井を過ぎて捨身美（は）し
<BR><BR><BR>


ひそかにて秋うら返る反土星
<BR><BR><BR>


犬の透く刹那みてゐる午前かな
<BR><BR><BR>


揺籃期ゆれやまずして身のみどり
<BR><BR><BR>


偽詩をなす身の荒れ藪を絶後といふ
<BR><BR><BR>


凝視して秋野の奥が凝りたり
<BR><BR><BR>


月裏の泪に女群似たるかな
<BR><BR><BR>


するどさも重さとなりぬ刃こぼれて
<BR><BR><BR>

]]>
        
    </content>
</entry>
<entry>
    <title>一人連詩『大玉』</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://abecasio.s23.xrea.com/text/poem/post_16.html" />
    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="http://abecasio.s23.xrea.com/mt/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=1/entry_id=427" title="一人連詩『大玉』" />
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    <published>2008-08-19T23:57:40Z</published>
    <updated>2008-08-20T00:57:08Z</updated>
    
    <summary> 大玉 　　　　　　阿部嘉昭 ※ＳＮＳ「ミクシィ」に07年７月20日から 同11...</summary>
    <author>
        <name>管理者</name>
        <uri>http://abecasio.s23.xrea.com/</uri>
    </author>
            <category term="poem" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://abecasio.s23.xrea.com/">
        <![CDATA[
大玉

　　　　　　阿部嘉昭
<BR><BR><BR><BR><BR>

※ＳＮＳ「ミクシィ」に07年７月20日から
同11月10日まで発表した詩篇をまとめました。
あるかどうか不明ですが正式な詩集刊行の際には
部分的に出典註をつけるつもりでもいます。
<BR><BR><BR><BR><BR>

１　失策する眠り
<BR>
２　大玉
<BR>
３　まったく滂沱
<BR>
４　流され星
<BR>
５　女物
<BR>
６　巣穴が多い、
<BR>
７　輪王
<BR>
８　ヘンな風が吹く
<BR>
９　踊らば踊らず
<BR>
10　混浴案内
<BR>
11　辰砂置き、
<BR>
12　キラキラ歩く
<BR>
13　可愛いおばけ
<BR>
14　バス停考
<BR>
15　茎の水を酌み
<BR>
16　鬼ともいう
<BR>
17　手巻き
<BR>
18　梯子語り
<BR>
19　橋の図鑑
<BR>
20　砂下ろし
<BR>
21　身虫
<BR>
22　酔芙蓉
<BR>
23　単飛
<BR>
24　頭山
<BR>
25　尾行
<BR>
26　滝は各処に
<BR>
27　轢死
<BR>
28　金木犀
<BR>
29　てつぶり
<BR>
30　トリガー
<BR>
31  駅舎
<BR>
32　池袋から
<BR>
33　もののけ
<BR>
34　港そだち
<BR>
35　棚を考える
<BR>
36  透かしのもよう
<BR>
<BR><BR><BR><BR><BR>
１【失策する眠り】
<BR><BR><BR>
熱い。
ひとりは熱い。
寝床すべてを水枕と見定め
ガバリこの躯は投身させた
背後にいくらかの抛物を感じて。
<BR>
駢儷していますが
尿を刻々膀胱に溜めているの自覚どおり
すでにして酔眼もビショビショじゃないか
破れつづけた三十年の袋
行く先々を濡らした――ここでも。
眠りは失策、差引いても座礁のかたちをとるが
以後は眠ることでしゅうへんを貪りつづける
私の変化、見て
（ソレハ）（起きてるように）気持悪いよ
<BR>
暗いは暗い」　復路、満てよ」
暗いというのはビショビショということ」
そう、やはり例外的な水を考えている
黒の頭部が私の寝顔を俯きに流す。
かたどおり寝る水路に絶えだえと《浮く》
<BR>
夢では畔の姿を一心に追いあつめて
真ん中に　字のさんぼんがわ
苛烈すぎてもう水分もない　だろう
<BR>
（夢では）、《あふみ》と名のる家出人を
胡坐のうえ後ろ向きに傾けていたかった
（ふたり）でつくる字が放埓に似るように
水の傾斜が　日時計二時の角度に重なる（ように）
<BR>
もう駄目、
暗いというのは遅いということ」　復路、満てよ」
それは華厳？
霰の、くだる、みらいの川は
<BR><BR><BR><BR><BR>
<BR><BR><BR><BR><BR>
２【大玉】
<BR><BR><BR>
こんな日は内側が見たくって、
片目を氷で冷やしてみるんだ、
「竹生島は夕立」「ぶら下がり裸体の腋窩も夕立」
世界の紗がこの眼に　部下のように引き集まっている
大玉――算えはじめた大玉の数　や
るるるるる　「る」のスキャット、
海賊が褒美とする「流」の籤で
流れ鯨にも馳走の固唾がありありだ
<BR>
夢では島囲の姿を一心に追いあつめて
藁のようなものを背後に引き連れてゆく
サーカスみてえ、が少年期のくちぐせでした
<BR>
みんなのポケットに韻を踏んだロケットが。
せんせはいう、《いつまでも・はじめて・みよう》
割れそうで割れなかった地球儀の時代だ
<BR>
（いまどきの）トキオさん、柳亭はご健在ですか
沓掛さんは、あるいはただ一字、窟は。
唐突に　橋づくし　してみる
子供騙しの　びぃだまに飽きて
登校途中の夏を飽きでいってみる
（大玉を祖母に訊いたミノルくん、タエコさん、）
臨終の夏は　茫々の通りは。
「栞紐もって詩集を渡すなって」
「どこまで読んだの、が約束だったじゃないか」
<BR>
せんせは死んでからも繰りかえす、
《いつまでも・はじめて・みよう》
残響を絶つため　伏せるお椀
<BR>
食べ物ばかり考えて卑しい子
朝朝のお椀に三つ葉なんて贅沢を
（柳の葉の流れをおもいたいんだ、）（浮き巣を）
食後の残響を絶つため、はじめて伏せたお椀
<BR><BR><BR><BR><BR>
<BR><BR><BR><BR><BR>
３【まったく滂沱】
<BR><BR><BR>
始めあって、終わりあり
この定式の収まりのよさ
体温の花火もあり　だから
躯の落ち着く汗ばみ同士が
ひっそりとさざめいて
川辺もそぞろ歩くのだが
<BR>
「汗をかく人からいずれ目鼻も消える」
その感慨を　夜空に見ちゃった
俤だけが「流れるかたち」となって、
金魚日本、まったく滂沱じゃないか
<BR>
ああ　成層圏の冥い西風、
ああ　六等星で此世の滲み、
体温にのみ還元された相手と
のこり幾たり連れ添えますか
<BR>
愛恋は。別住の人生は。
<BR>
突貫。ポケットに癇癪球を入れて
石ころだらけの下り坂中年を転げ走る
突貫。手に点火した線香を立てて
水底探査の気分　細窟に跳び回る
上澄みを刺青された祭というなら
不全の僕ら　ゐました　そこに
<BR>
藁のようなものを背後に引き連れては
不意に百回前の季節にも出会うだろう
目の玉や金玉を緑チューブに塗られた無惨か
たった二十五回分で――砂金の身も垢だらけ
アスベストとなり　ポイとなり
手探りの落丁ともなって（ボサボサの紙）
不全の僕ら　ゐました　そこに
<BR>
（裏書して）（ここへ来て話そ）
接吻と同じ、あくまでも口承がルール
<BR><BR><BR><BR><BR>
<BR><BR><BR><BR><BR>
４【流され星】
<BR><BR><BR>
いずれ目鼻が消える、
紙人形のような端正さなら。
恋とはそんなものだし
下流から上流に遡れば
川も淋しさで分岐しているように
見えるだけだ、ただ見えるだけ
<BR>
流され星　「流され蛍」
あくがれいづるものによる空
お化け煙突の見物場所を人は探すが
見ようとすることが
すでに流されることだとは知らない
人世はゆっくりと水になる、閼伽みたいに
<BR>
ユダ温泉を起点に今度の旅（車内多し）。
誕生日を迎え中年の終りの日付にもなった
美祢線に乗り、台風を精一杯逃れ
怖ろしい厚狭川の濁流を見下ろしては
古ぼけた紙に映る字をまたも購ってしまう
中也、西脇、泉谷明。
水面に咲く旧い目鼻流れる、
<BR>
《あれはとほいい処にあるのだけれど》
（ああずっと「そこ」に佇っていたんだね）
でも僕らはもう萩で荻だったから
真下から見上げた花火、潤んで大きかった
<BR>
（潤むものは大きく、大きいものは潤む
<BR>
間近とは海峡で噛みあう下関と門司港
西班牙と葡萄牙、ふたつの大らかな牙のように。
女房の髪も汗に濡れながら風に舞っていたし。
それで憶いだす、どこへ行っても
味噌汁の具が遥かな川海苔だったと。
<BR>
来迎、いつかはわれわれの稚魚時代を）
<BR><BR><BR><BR><BR>
<BR><BR><BR><BR><BR>
５【女物】
<BR><BR><BR>
バカと罵られつづけて「あぁあぁ」する
この夏の日傘にはそれで「女物」を奉じ
路上に投げられる微かな影に見惚れた。
<BR>
七色の頬紅を塗った気分に　一挙になる
少しずつ七〇年代の阿呆を取り戻す
おすましした女の子たちの胸乳の稚魚。
秘密の樹の下闇でその敏感な突端が泳ぐ
よって詩はいつもあさってに打ち水、だ
がお　がお　　（うぁん　うぁん）
<BR>
幸福によろめくわれわれの乱雑な言葉
ギャオスとギャオスのように連れ合う
（朝顔のつづく朝の道で、）
癌告白するメール文に不幸の藍が滲んだ
どうしようもないことにぴかぴかした夏空の称号
是々非々が無慈悲なほど清明かもしれぬ此世で
<BR>
それでも手紙文は一生かけて練習だ
《七〇年代は　闇のなかの光ではなく
光のなかの闇を見てました》
こうやって何事も積載しなければ　（泣くのか？）
<BR>
当たり前のことをいうなら
五階よりも十二階のほうが荘重です
いつかは稀薄な浅草の高層に住んで
地上を十二階下と　むかし馴染んで定めるか
「正面」の花火とも向き合ってしまうだろう
なあどうするんだ、おまえ？
<BR>
京子「バカバカ」「わたし、たくさんの果実」
そうだね、存在は籠から残部があふれでた狼藉。
マンゴーの隣には冷えたアレクサンドリア種が
東空には今しも周囲に溶けようとする城塔が
<BR>
見えるだけだ、ただ見えるだけ
<BR><BR><BR><BR><BR>
<BR><BR><BR><BR><BR>
６【巣穴が多い、】
<BR><BR><BR>
小さなオペラ。
そこからが森になる、
はいり口というべき処がいつも好きで、
涼やかな半袖の袖口のすきまや
「夏の日傘」のなかもいつも好きで。
<BR>
われわれの肉の隙間には
黒い「ましら」、さかしら。
根を鎮めようと四つ這いになり
腕も以て前脚となり、毛深。
黒い虹のようなものになろうとしていた
ひとりではなしえぬ林立へと、ふたりで。
後背位、というのだろうか
<BR>
森は「オルガン」上昇する。
夏に黒鍵が空に沸き立つ。
<BR>
しかし木立や梢を見上げずに
蟠る根へ　模様へ　入ってゆくのだ
昇る動きもいつしか下りへ反った
<BR>
（見晴るかす平地には）
水銀蟻の巣穴あまた、
その内と外を反転させるように
驟雨来たりて
一帯が一挙に毛羽立つ絨毯になる
王が音楽のように座っているが
むろん周りの校庭に何もいない
あれが「遠く」で、あれが「夏」だ
<BR>
肌を鏡にすべく
俗世は互いを擦ればいい
それを見るため　大月、生きよ
ひみつの　このしたやみは
塒にはならない
<BR><BR><BR><BR><BR>
<BR><BR><BR><BR><BR>
７【輪王】
<BR><BR><BR>
乙二号建築では
（火災警報器の誤作動もなく）
焙られきって一日中を除外された
公園の鉄棒群が　見下ろせただけだ
それらをつなぎ白じらとした
夏状の亜空間ができた、としても
<BR>
何事も空白はつくりかえるな
胤のない砂だけがそこを伏していい
<BR>
密議めくことだ、《肌を鏡に》。
材料にはただ水、「水の用意」
歩くことで生じた君の亀裂を
シャワー室でしずかに均し
再び入った部屋の天井からは
輪王の架空をおどろに垂らして
鏡面が熟すのをゆっくりと待つ
<BR>
女の、私の、庭が、縁どられ映ったよ
百日の紅や、ましらの滑り。
物語る夏は退屈に退屈を接がれ
一人連詩も眠るように薄まり
<BR>
入院の具体報ではあったけど
こんなバカみたいに字が不足したメールで
最後なんて嫌に決まっている
<BR>
（「私の犬」を知るひとだから）
俄かに「わおう」。夕方の一斉。
吠え声が坂になって
凹んでゆく闇へのなだらかな傾斜では
サカりと離［さか］りが結ぶ
この中心、しかし
「独楽はその中心だけが回っていない、
数学的にいえば」
<BR><BR><BR><BR><BR>
<BR><BR><BR><BR><BR>
８【ヘンな風が吹く】
<BR><BR><BR>
書くことがなければ
酔眠前の夕飯の話になる。
百日紅の咲く坂を食べました、
先駆けて地を離［さか］ってゆく
犬の吠え声も食べました、
もう胃袋にはおどろな満月
<BR>
わたしに近いもの、
綺羅や松果を不敵に水で炙って
猥らに垂れる肉じるを
詩の髭をかぶった口へ立て続けて容れる。
<BR>
空の反映、そこへ消えてゆくもの
を収める容器（私）、といえば聞こえはいいが
畢竟、食餌と脳のあいだに
オーバードーズの危うさ潜み
わたしは竹薮よりも大きくなったよ
女学生の描いた堤に　八月の晩に
<BR>
（しらーを食べ　びすまるく食べ
腹のくちた少年ヴァルターは
めいぷる・びすけっとに方陣の美しさを見た。
掌に載せると　ヘンな風が吹くね、
――みらいから　かこに渡る、
（壊し続ける玩具の代わりに
世紀伝来のビスケットがあるんだ
<BR>
書くことがなければ、
「三年間食べなかった」話にもなる
畔で消化器官の育つのが待ちきれずに
夕映えの水に無精の卵を産みつづけた
<BR>
不妊の、くだる、蜉蝣川は。
<BR>
八月十六日、卵圧搾機を発明
載せるべきは何やら水っぽいもの
<BR><BR><BR><BR><BR>
<BR><BR><BR><BR><BR>
９【踊らば踊らず】
<BR><BR><BR>
家主を騙す、ペッティングは何度目
失敗した肉じゃがや
シークワーサー割りのあと
夏の全盲闇がおもたく降りてきて
そこで罰当たりたちが無音を味方に
鬼神の「踊らなさ」を舞っている
互いの指先で濡れたり硬くなったりした
言葉のようなものを探りあっているのだ
<BR>
額より小さな庭に累卵を置き
終った宵から下ろす塊の鉛で
殻を割らず中身だけ潰す技
小ささと大きさの境をかえるので
森下の見取図さえ書けないまま
<BR>
窓のそと　竹薮が大きくなって
尻尾の夜が　雨のように焦げた
<BR>
（下天は夢よ、
（「踊らば踊らず」の深意とは、
<BR>
「流れる記憶」を記憶するように
あゆみが自他を混乱する
起きぬけから空回りにまわる朝
肝臓の紫も胆嚢の緑も
それなり体内の火だったが
かげろふたちのよぎる辻をまえに
ジジ、と湿った音漏れもして
身のなかへ縮むだけだわたしの身は。
<BR>
白熱の行く手を
規格外のパイソンが気ままに炎えていた
添うように周辺を掠めれば
胆汁なんかもむかしの草汁
祝ひ・さきはひ、禍ひがみな消える
<BR><BR><BR><BR><BR>
<BR><BR><BR><BR><BR>
10【混浴案内】
<BR><BR><BR>
どうせこの世は混浴と、
演歌めくこの口がいつも禍ひ
《あとはおぼろ》のヤチマタで
巾着覗きもヤッチマッタ
覗けばいまだに背が伸びる
瀬を伸ばそうと　永遠のひとも
川べりに眠たく伏すのだが
<BR>
この世に抒情の地下川、いくつ
（地図をたどるゆびなんて、）
<BR>
規格外の私が気ままに炎えていた
混浴の中心に向け冷えびえ真夏を散歩
着服より着衣が許せない、お脱ぎ
おまへの服こそ閉鎖系だ、お脱ぎ
（うたう、）（言葉ある歌を）
<BR>
①観音の長衣となるまで
この長い脱糞でビホウ策を講じる、
<BR>
②厠こそ観音世界を圧縮するもの
ヤチマタの衣擦れ、ひたひたに聴え、
<BR>
厠を出て泳いでいますね）、ヘイ多分
夏の内部分割を学説しようかと
んで　小ささと大きさの境をかえる？）
ヘイ多分、の３カケル３、
若冲のタイル升目の変てこ象ですわ
あの升目をつうじ
《みえないやつらが［…］
しきりにはいりたがる風呂なのである》、
この世の　この世は　ね
<BR>
おのれを魔擦る
傾きかけの一羽の雁
も見える
<BR><BR><BR><BR><BR>
<BR><BR><BR><BR><BR>
11【辰砂置き、】
<BR><BR><BR>
冥途の皮に辰砂置き
しらほね笑うローチのドラム
<BR>
「朗読」談義なぞおととい置いて
眼からこのバネ取り出して
万物の窪みを低く流し目すると
（これ、未明のヘッドホン装着の喩です）
<BR>
そこ、しらほね高原に
登仙百回の寺院群、連なった
やがての朝露に互いをつなぎ
背後にはニガグスリもかすませて
銀のはしごや、みやこの蜘蛛の巣
<BR>
そこ、くだりはならぬ
からだ潤ませ高みを割れば
ああこれが東南の音だなあ
いざ　あない　せえ
死後燦爛となった
村上昭夫の雁、
<BR>
おのれを魔擦るブラッシング、
傾きかけ　一羽のシンバリング、
ぼくならば天へ墜ちる渡り
あふれる風信をとりだしても
（そんなものは空の芹ですよ、
（たんなる風媒、
<BR>
音が聴えることはもはや変てこだ、
むかし下宿に漏れてきたアヘ声よりも
暁闇はいっときのローチ、小さな悼み
<BR>
やがて食欲のない夏バテ女房と
昨日のかやくで冷えた朝めし
（咀嚼音がパチパチ爆ぜる、）
顔色のわるさ映すほどに朝日も昇って
<BR><BR><BR><BR><BR>
<BR><BR><BR><BR><BR>
12【キラキラ歩く】
<BR><BR><BR>
明けた朝に　ふとしたこころ、
ベランダは　ほとけのてのひら充つ
微光で開かれようとしている
<BR>
去った夜のかわりに
生ぬるく地上におりているのは
おほいなる跛足をもった神の下身だった
その足がキラキラ歩いて家々をこする
人ら微妙にひしめきかたむく気配
歩行は鯰のひと踊りをキラキラ呼びだす
歌のようには　地から　力、
<BR>
越後や能登の三連発
「なゐ」なら欧語の否定形で
地の揺れのあとは虐殺と相場も決まる
昔が聴えるのは
この身の変てこゆえだろう
<BR>
何もない白昼は折る、それが夏
ただエコーを買いにゆき
三六〇度おぼろのなかを
あやかりつつ歩こうとして
たとえば田浦の底にはぐれる
季節外れに人の影が長いと気づく
<BR>
（聴えたのはいつも夕方だろう、
（地軸あるかぎり犬笛が沸く
（男たるを夕闇が立小便にさそう
（構わぬ男なら　犬か幽霊になる
<BR>
空が川のようにみえて
さみしさもこまかく流れるが
あんなものは空の芹、
産卵期も折ったよ
帰順なしだ、この亡命に
<BR><BR><BR><BR><BR>
<BR><BR><BR><BR><BR>
13【可愛いおばけ】
<BR><BR><BR>
《交接に錆びて
やがて詩話となり皺となっても》、
<BR>
そこに「混ざって」あるものが
いつも「おばけ」のたたずまい
（未来函からとりださなかったので
すごい　ぼろぼろだった）
そこからは生も明滅する
たぶんこんなふうに前田英樹が
樹にも託して書いていた
（白昼そんなふうに読んでしまった）
<BR>
縮めばまた膨らむのか
夏の終り知る　ふとしたこころ、
夏の終り知る　ふとした犬の陰嚢、
宇宙大に考えるべきなんだろう
<BR>
とっておきの果実とりだして
割符併せするカタラヒの只今
うってつけの過日とりだして
貝合せするララバヒの只今
悪い生き方の二重国籍も
刻々の突端でシワヤセなのか
<BR>
《アダプタのコード噛んでたら夕方
胃が伏して蝉落ちて死んだ。》
<BR>
斜光世界、聴えないほどの大音響
この身密が四囲にもぼやんと拡がって
すべてが「潜在性と同じなのである」
可愛いおばけといる暮れ方には
色塵や声塵も　ほぼ無限に流れる
なんだこの宇宙の風向き、
十界にひとつ足りない、
九界や旧界かもしれんぞ
<BR><BR><BR><BR><BR>
<BR><BR><BR><BR><BR>
14【バス停考】
<BR><BR><BR>
《立ったまま沈んでゆく塔》
のかわりに、（花弁の流れ）
春先から昨今までの沈みが
ここに猶予されているのか
<BR>
女房とは一日乗車券で
バスの終点から終点を乗り継いだ
城東に乱立する銀の狼藉もみた
南砂町の巨大　商店街はどこ
花売りは　《微笑する井戸》はどこ
見上げれば天心も引き絞られて
疲れた真夏の真夏、
その黒い底心を指針している
<BR>
怒りにもう躯が重たくなって
昨日みた白鷺を微醺にはなち
週末をひたすら寝てすごす
商店街はどこ――自問自答が残響し
《剖かれたウヲかいまみた》《夢のあと》
<BR>
この世のちいさな足溜まりとしては
立て続くバス停も恣意にすぎる
ただ通過の通過を謂うのか
浅草雷門─平井乗り継いで、
平井─東大島乗り継いで、
東大島─門前仲町乗り伏せて、閉じた瞼に
富岡八幡前の古本屋消えている
<BR>
《九界に九官鳥充つ、虚辞ばかり》
たままん句会の題詠をふと考えてしまい
<BR>
もうわたしはアダ　わたしはアザ
天の仇　字十二番地
極点で息を切る、
伸びたつはものの
<BR><BR><BR><BR><BR>
<BR><BR><BR><BR><BR>
15【茎の水を酌み】
<BR><BR><BR>
みたこともない柳が殖えている
そんな途上を櫂でゆく
さいきんは少々、脚を引きはじめたが
この神の証さえ長衣でひた隠す
女だてらに　また　男だてらに
<BR>
夏の日の終り、水洟
それだけで俺の顔、他者。
たくさんの目脂や目脂や目脂
来世をかがやく蓮田の花粉どこだ
<BR>
中年は食生活の貧しさを自慢しあう
「おでん缶食べました」「芋粥缶食べました」
「幼虫缶食べました」　ついつい嘘も出て
ネルヴァルの黒い太陽が深刻癖を解除する
<BR>
「われわれの曇り空だから
七年ぶりの皆既月蝕、見逃しました」とさ
<BR>
（よって）微醺だ、微醺、
茎の水を酌んだ浅酔いで見返すと
いまだにびくんびくん伸びている
ただ縦をなす「世界の背丈」
大事なのは茎だね、それしかない
そこを甘露の魔がいつも昇り
輪郭にも繊毛が極端にふえてゆく
肖像画など不可能とついデリダめき
顔だって黒ヴェールで隠す
（残響残侠）微醺だ、微醺、
<BR>
ご参集の心は意外に平板な　夏の喪
金魚がわれわれに倍して及んでゆく
刃物や兵［つはもの］や約物
<BR>
詩篇の装身具もとりどり、
もって冷やっこく
<BR><BR><BR><BR><BR>
<BR><BR><BR><BR><BR>
16【鬼ともいう】
<BR><BR><BR>
秋になると冷奴のおもてがいよいよ冷える
眼下の遠景をぷるん、といわせて
播州はきっとすすき狩りだろう
「眼の銀」も巻末には一掃されるだろうか
<BR>
ものいわない口がひとりで食べる
誰かの誰か　その食卓を聴く
去年は生き別れの父が死んだ
さよう死後もずっと食べている霊には敬礼だ
<BR>
巨木を隠していた密集の蔦を
毎度の行く道にみていた
鬱陶しいなあ　追慕なんて、
蔦もやがて樹下の草へ自らを禅譲する
<BR>
世界の拠点いよいよ色を薄くして
ひともとの若い、茎だけの茎が
浄土の風にゆらいでいる
五十六億七千の音楽、
今年後半またそれが通るはず
ぞろぞろと　この敏感な鰭をぬるくして
<BR>
「うつせみぃ」「そどみぃ」
応答しあうものが擦過に濡れる
《道にあやなく惑ひぬるかな》
繊かな花のした影を
「鬼」ともいう
《あるにもあらず消ゆる帚木》
それをそれを「鬼」ともいう
<BR>
琉球のあらゆる夏炉、
樺太のあらゆる冬扇、
弧は弧として反り
弓張る力をヒタたくわえて
首席賞の時計を卒業後もねらう
<BR><BR><BR><BR><BR>
<BR><BR><BR><BR><BR>
17【手巻き】
<BR><BR><BR>
鰻と胡瓜、ちいさな寂滅を酢飯に載せて
晩遠もろとも海苔で巻く。
私は海苔で　かく巻いたものを
酒で笹舟にし　躯の彼方に流すが
酒を呑まぬ金柑女房は自ら以上のものを食べ
全身を刻々　海苔で包まれてゆく
<BR>
わひゃあ、（黒いっ、黒いっ、）
わひゃあ、（中年の歓び・オノマトペ）
わひゃあ、（いまだ汝が別物になれるなんて）
<BR>
この「夏炉冬扇」仮面が女房の二の腕に
低い鼻くっつけて犬の息吐く、
女房の肥りじし折り曲げて
弓張る力をヒタたくわえる、
<BR>
聴いたＧＳがひよめきから漏れている
《泣きぬれる太陽の剣で
あなたを　（射止めたい）》
ブルーインパルスなら愛の壮語、
いずれ瞬時にしいられた喪から
病みあがる鰻的［マンテキ］な暑さも抜けない
<BR>
――なあ佐藤さん、あなたの死後
びっくりするほど不快なブログをみたぜ
あなたが最期に駆け上がった団地の階段、
その激甚な視界変化こそを
あなた自身がドキュメントすべきだったって
<BR>
映像にしえないものを守る倫理が
浅はかな言葉でかくも蹂躙されたので、
偶然に黒衣となった女房と　私は
《死ぬまぎわの　海に近いもの》を
これから見にゆきたいのだ
<BR>
そのまえに双つの掌をあわせ、
<BR><BR><BR><BR><BR>
<BR><BR><BR><BR><BR>
18【梯子語り】
<BR><BR><BR>
映像にしえない
「犀と蝶のアイノコ」を
飲み屋で交わす
風説に訪ねる
ひらっ　ひらっ、
いまし　いずれも
われわれの「訪問記」
<BR>
きらめいている輪郭の
ことではないだろうか、
「鰻的」もアイノコも。
改行屋はずんぐりと開陳する
なら「ぽりふぉにぃ、ですよ」
<BR>
《空は行かず　足よ行くな》
<BR>
公共施設ではたらく
奇妙な現代人を眼中に
こっちの睫毛が
古事記になる。
虚詩を燔祭にして
数々のタケルもほうむり
撥音の群をツッツッ、と
跳ねてゆくと、
<BR>
きっと川に渡した梯子だな、
橋になるまえの意味なぞは
<BR>
《日本という島の
原風景を動物化すれば
それは鹿だ、》
<BR>
むろんわれわれは雁のような
カッコいい断言なぞ封じられて
改行屋もいつしか
象の背中に乗り　遠く喋ってる
<BR><BR><BR><BR><BR>
<BR><BR><BR><BR><BR>
19【橋の図鑑】
<BR><BR><BR>
道がなく橋だけのある
葦や「悪し」の一帯で
私は全身を世界の疲労にとかして
千やそこらの橋をゆく
時間がいつかはわからない
<BR>
上こそを水の通る四万十の沈下橋や
大水で壊れた大井の木橋、
Ｖ字に崩落した酒匂の橋
それでも橋に橋がただつながって
歩くここらが、変にもどかしく
<BR>
茶色い虹がつたえて、
カフカの金属的な肉声が響く
ほ　牛腸さんの声に似ているな
《私は橋だった　寝返りを打った
私はバラバラになり　刺しつらぬかれた》
<BR>
保田さんの重厚な咳払い後なら
《さ丹塗りの大橋の上ゆ
くれなゐの赤裳すそひき》
ジンメルの細心なら
《扉はそこから踏み出るとき
橋が与えてくれるような安定感を奪う》
ならば橋が扉の連続状になっている
<BR>
いずれにせよウォタールーでもみられるものは
いつも《眠るまぎわの　夕焼けに近いもの》だ
少年のように私は人などみていない
象なしでも象の背中が通るから
<BR>
橋だけを綴ったここには
さんぼん縦線のあの字ももはやない
濡れていて涸れているそこらを歩きまわったあと
<BR>
立ち方によっては　私が端だろう
<BR><BR><BR><BR><BR>
<BR><BR><BR><BR><BR>
20【砂下ろし】
<BR><BR><BR>
月に一回、オフクロが
「砂下ろし」の日を宣言して
蒟蒻ばかりを喰わせた
表情の憮然はそこで覚えた。
瞰下ろして　眼下の雲古に
灰色の砂絵を感じては
月ごとに背の伸びる自分も怖くなる
花田清輝「砂について」を読む前だ
<BR>
甘泉庭園の端に佇つ
血を巡るものが緑陰、
私と私以外がふれあって
万端がざわざわした、痒い
<BR>
（七面鳥の首を絞めて
悪童が七色に笑う
<BR>
（打擲癖の婆さん登場
《お前と食べ物は
箸で渡されているのさ
いにしえから箸は橋だよ
ちゃんと使えなきゃお前が摩滅する》
――婆さん、与重郎めいた機転を
<BR>
打撲の灰色を愛した
「膚のメダル」と謂っていた
《だがお前、世をずれては
眉間の打撲痕もとれんぞ》
<BR>
そうだ、拭う指あって　だから手偏か
掏って、招いて、拌［かきまぜ］る。
手許ばかりに久遠の根拠、みていたな
地の白に　図の白
レダと白鳥の根拠だ
<BR>
（そこを）装束が通る、人ではなく
<BR><BR><BR><BR><BR>
<BR><BR><BR><BR><BR>
21【身虫】
<BR><BR><BR>
昨日からの
棒を掴まれて
身虫の鬼がぞめく
かくして不機嫌
<BR>
地に地命があり
よって彼岸花が
突然に生える
<BR>
第一に突然ということ
次いで花肉にまるで
面がないということ
<BR>
彼岸花に反意ひるがえり
路傍が路傍でなくなって
見えない傍らの通行が
ひかひか炎える
<BR>
みんな、行った
人ではなく
みんなの身虫、通った
装束ではなく。
（地面とは
地線でした
<BR>
鏡面とひとしい
面
厭気の私は
もう心では
線、
そうして揺らす、揺らされる
<BR>
あなろぐ魚やもーるす信号が聴えて。
《地球の朝焼け揺らす
世界のエンドロール
《遠くても離れていない
<BR><BR><BR><BR><BR>
<BR><BR><BR><BR><BR>
22【酔芙蓉】
<BR><BR><BR>
遠くても離れていないことに
躯のなかの他者の基準がある
そう神谷バーで感じて
いざ酒で肌を桃色にした
若い女の面長の和風を賞玩した
（ショートカットだったな）
<BR>
この女は今朝歩いてきた
酔芙蓉の農道をおもわせる、
そこからの距離を近いともおもわせる、
そんな望遠を身中に置いていた
<BR>
古代音階を放つてのひらのにおい
<BR>
（僕は開きすぎた酔芙蓉に
順に手をかざす奇異な行動をして
後ろをあるく女房に咎められた）
<BR>
季節が巡り　巡りきる酸鼻に
かすかな存在だけが酩酊する。
「酔」の字を接頭辞された花ばなが
世界の輪郭を揺らす、（破線へと）
そんなふうにひらひら歩いて
崖から落ちるなよ、詩的なんぢ
<BR>
肌若く、脳天が古い（遠くても
離れていない）玉川満が莞爾とする
おうよ　そんな鷹揚を前に
赤尾兜子の句が憶いだせなくて
三十年もの遡行がまよう
数ヶ月前の鯉幟も眼底に揺れる
<BR>
今年を釣ろうとする（今年なぞ釣れない）。
また沢下りする水学の授業だな
僕の撒餌も芭蕉の脇に投げられて
べつの水脈を流れに流すだろう
<BR><BR><BR><BR><BR>
<BR><BR><BR><BR><BR>
23【単飛】
<BR><BR><BR>
あんたが見ている白は
俺が裏返している肌
日暮れまで予感していた
あんたの眼底のすべてだ
<BR>
丸め込み、折り
抱き寄せると
あんたは汐い息を吐き
寄せる波も俯瞰させる
今日はまた
極端に折られて
腕許にちいさい。
入り込んできた珠のように
<BR>
物音ならば
ざくり　ざくり
茎を剪る音だ
《十四五本もありぬべし》
<BR>
今日の餞別には、
このロボットの躯から
円いものを出す
「息を抜いた」かも。
<BR>
講義用テープをつくり終え
夜の新宿に繰り出した
単飛の鳥となりゆくも
うすれて、べつの水脈を
<BR>
会うひとごとへのキス
尾花が網膜に光るまで
あらゆる擦過に
乱倫傾向をまぜる
まぜかえす。
<BR>
単飛の鳥となりゆくも
<BR><BR><BR><BR><BR>
<BR><BR><BR><BR><BR>
24【頭山】
<BR><BR><BR>
《曇天の日にかぎって面倒がおこる》
視野に四角く截ろうとした
「前方」が揺らぐから。
ゆっくりと姿を現す「滲むもの」
臆病は足許を見て歩きつづける
<BR>
草の花の青や青を吸い込んで
眼底に滑らせた数十秒
曇天に移動が触れて寂しさよ
眼路に青、生［あ］れては消ゆる寂しさよ
<BR>
陽が雲間で手回し風琴を弾き
風体を冷やしつづけるから
不意に歌の残量が見えてしまう
本格の秋は砂時計よりもくびれる
肌着同士の行き交った今年の部屋ぬちも
過去の前方になり　点に閉じた
<BR>
同じ日　京都の田中宏輔は
場所を換え　場所を換え
詩集のゲラを見直している
移動すると自分の詩がちがって見えるらしい
身の置き場が別なら眼路も別に
ならば宏輔さんが見ているのは
きっと「みんなのバード」だ
最初っから鳥の翔ぶかたちも
鳥ではなく空の残心だろう
<BR>
くもりびの息を円く抜き
五条の橋から転がしてみる
淀へ淀へと　歌を懸けて
<BR>
「頭山」は自我位置の矛盾
だが投身入水すべき山の池は飛び地して
小高さの薄青を眼につなげている
<BR><BR><BR><BR><BR>
<BR><BR><BR><BR><BR>
25【尾行】
<BR><BR><BR>
《この世の果てまで後をつける
その人を殺してしまうために》
女の行く道に沿っては
格子戸が無数に並んでいる
<BR>
木から白糸が噴きでている
あれがかつての花の位置
「空」といわないために、
女の匂いが電線にからんだ。
――長い髪束を懐中にしてゆく
<BR>
電信柱は木製で
ブリキの傘に裸電球、
淀へ淀へと　歌を懸けても
喉仏が暮れるのがかくも早い
《喉仏の代わりに踝》
だから少ない女が嫌いなんだと
夕光の直中　髪束を握り
懐かしい女をずっと尾けてゆく
<BR>
否　女ではないだろう
それは風景の空漠で
厚みすらないのだから
<BR>
たいらに展［の］せない
かげろふな何かなのだ、
<BR>
夕空にこの移動が触れる
僕は晩年のグレタ・ガルボの
「ああ、この家だったのか」の話を
壇上でしました（とっておき、さ）
おかげで切通理作の角がぴくぴく動き
廿楽順治の縦もさわさわ揺れる
<BR>
そいつらだって　やはり
《一人と数えられるかは疑問》だろう
<BR><BR><BR><BR><BR>
<BR><BR><BR><BR><BR>
26【滝は各処に】
<BR><BR><BR>
落ちるところが定まっての滝なのだ
だが女はきょとんとしている
わからない女の少なさを見ぬふりして
眼前では　茛のけむりにかえてみた
<BR>
近さが懐かしさか、遠さがそうか
難問に出会えばひとも歩度を変える
いつかは雲の峰が背後でダアダア落ちていた
<BR>
誰かが北区へ帰宅した
配置だって憂鬱をつよめて換えるだろう
《鏡の前にても脂肪のなき梨よ》
女の泣きそうな顔に梨の素朴をみて
白糸を引いて呼び寄せた、「おいで」
<BR>
《部屋は五階だったから
ぼくよりたくさん沈まなければならなかった》
愛する女は横だが　女友達はいつも縦
縦のものを呪文で横にして
だが「田」の字は脳裡でぐるぐるまわって
自身の姿を点滅のなかに温存する
怒気が梨の香気よりまさって
ちょっとした室内通路を凌辱の畦にしたんだ
<BR>
いつかは雲の峰が背後でダアダア落ちていた。
<BR>
水洗便所で何度も自分を取り替えて
垂れ落ちようとするズボンを引き上げた
ロボットめく前面も設定を更新した
なのにいうなよ、限度のない愛を
「滝もゆっくりと落ちれば川」なんて。
とどこおった泪が汨羅になってしまう
<BR>
ついに後方確認して
夢のなかでのように　凶暴に
投身なき汨に　投身をみた
<BR><BR><BR><BR><BR>
<BR><BR><BR><BR><BR>
27【轢死】
<BR><BR><BR>
もう毛細血管のように
鉄路もろーかるを
はなやかに縫ってはいないのだが
（戦前が消えた、
（猿田彦の最後のあしあとが
<BR>
あそこも汨、
ここも汨と屈原し
くうかんをくるいでゆくべく
食卓へむぞうさに置かれた
ぽいんとおぶ「びゅう」のチラシとる
（朝から　はらくちていた
（それに女房はいつも
この世を出たがっていた
<BR>
どれどれ水郡線　釜石線　左沢線
さすがに血紅がいっぱい
最後の緑からそんなのが噴きだせば
いいしゃしんと網膜も沿わんとするよ
<BR>
ひとが老眼鏡を買うのは秋、
という隣人のことばを
むねから紐ひりだし
水差しに添って憶いだす
<BR>
せつなさや手許の橋を列車が渡った
みにちゅあの座にみちのく収まり
<BR>
チラシ文言、《横丁へ、旅深まる。》
書けんな、こんなくうかんの折込は。
列車も手足だけ運べばいい
秋の真髄を列車と手足でわかち
たましひは野へ置き去りに。
<BR>
この身がばらばらになれば
短日の花もそこに数本が咲くか
<BR><BR><BR><BR><BR>
<BR><BR><BR><BR><BR>
28【金木犀】
<BR>
かどをまがると
べつの秋があらわれる
垣根沿い　ゆくあゆみ
だがときに足なくて
垣根へかくれ
<BR>
ころん、
秋なりのかげも
午後がふえて
片踏みに銀のうつる
いつでも片から方へ
身をとおしたが
<BR>
ひょうたんの鳴るきせつは
明視のそこがぬける
さざんかの垣根も
ひなの蓋どころか
天体へのきざはし
<BR>
ころんころんと何処をあるいて
うすまるよ、秋が
千のからだ並べる白が
<BR>
順番に金木犀見ゆ破滅以後
くうかんの序列が
ふもとまでしるく澄む
くうきも香りにかわり
いまさらすこし死ぬために
いまさらすこしそれを吸う
<BR>
おもいだすなかで
金木犀のかずとおなじ
かぞえればはつ恋も
十指にあまりだす
<BR>
十指の花に
<BR><BR><BR><BR><BR>
<BR><BR><BR><BR><BR>
29【てつぶり】
<BR><BR><BR> 
短歌と映画をやる友衣 
音楽で眼が燦めく大中とで呑む 
いつもの早稲田　モツ焼き屋 
<BR>
店頭の赤提灯のなかに 
丸はだかにされた貴婦人の背中が 
ほろほろ泣いていて、 
取り巻く愛語もいっぱいだ 
《臓物は天からの寄贈物》 
《はらわたの透くまで泪を》など 
<BR>
歯で串を抜く野蛮 
横へ横へ食餌が伸びるから 
しぜん会話が縦になり 
僕の歴代日記が頌められる 
世辞には唐辛子をかけるくらいが 
鱶鱶した地口に合ったりする 
<BR>
つられて友の衣をおもうのか 
手許から滲みだす　秋のはがね 
秋には明視の一点がおもく 
「手瞑り」がまぼろしの鉄鰤にふれる 
泳げない類別が　いろくづにある 
<BR>
それを流しやり　わかめの底にしずめ 
楽をゆきかわせることが 
われらの《八岐に別れゆきし日》 
<BR>
春に野蒜を摘まず 
秋に枯れ蔓をはらって 
十指によごれた幼名の名札を 
古壁にあきらかにする 
この声のあいだに千のからだがある 
<BR>
かえるさ。 
白風に垣根のただしさパウロ来る
<BR><BR><BR><BR><BR>
<BR><BR><BR><BR><BR>
30【トリガー】
<BR><BR><BR>
口髭にしろいものがますますまざり
顔のしゅうへんも白風になってゆく
（なんだかさむいな――パウロの手足が）
研究室でペットボトル緑茶のみつつ
朝のおわりをふと見当てた
<BR>
そうか、廿楽さんは「円」で来たか
《とつぜん晴れわたった　はなれたところ》
ひそかに光の傷みをみてるなんて凄いな
でもその立ち位置がどこなのか
<BR>
来訪は婆沙婆沙、と音がして
ブラインドに天誅が折れこんでくる
なんで一瞬にして事後だろう
鍋底をまわす手のように
塵や霞がくうきにわらっている
<BR>
講義では　毛に毛が馴染むと
けだもの同士の親愛を頌めた
<BR>
セル画に狩りだされた「紅い花」の少年が
結局おんなのこの初潮を見そびれる
だからおんなのこは山猫バスにのって
夕暮れの電線をうぃんうぃん伝った
飛ぶ電気　火花、それでみんなが
電気使用法の間違いをゆめみる
<BR>
至純を自己伝説にして　せるふらぶ完了。
《怪異は子供のころにだけ現れる》
<BR>
みえない蝙蝠のせいか
講義中、教授的な空想に悩む
重なるものの怖ろしさ
《鳥に鳥が。》《鳥に鳥が。》
ひそかにトリガーを引きつつあった
チョークをもっていたはずの指が
<BR><BR><BR><BR><BR>
<BR><BR><BR><BR><BR>
31【駅舎】
<BR><BR><BR>
輪になると
子供たちが消える
もともと気配なのだ
たてもののなかなど
よこぎってはいけない
<BR>
はーめるんの笛音がもう
おーろらのスカート
あたまのなか北極もへこむ
おとなだって鎧をきれば
一瞬にして事後
<BR>
すぽんてぃにあすな
けむり、ばかりの巷に
印刷ずれした鉄路がのびている
まだあけがたなのに
<BR>
おおかたの生きも
うすい髭根を生やして
ぞうりむしよりとうめい
つとめて握手はするけれども
つながる朝がなんと
苦いかんしょくなのか
<BR>
歯科医院に駅舎を感じた
（それが秋のおとない、）
<BR>
ほら口を開けてみて
歯なんてないですただの穴です
電車はしかし口から出る
ぼくら躯のない子供たちと
すこしのびた不全をのせて
<BR>
駅でしょう駅でしょう
輪のかたちに馬のつながれた
きりたちこめるすべての朝も
<BR><BR><BR><BR><BR>
<BR><BR><BR><BR><BR>
32【池袋から】
<BR><BR><BR>
街路の最新で待つが
遭う形式にすでに魔
子供ですら辻を怖れている
池袋、辻だらけ
<BR>
条理なきかさぶたに
発眼の初源を塞がれて
産まれ落ちた
ファッショナブルな柿いろが
標的の盲目になっている
むろん信号にすぎないのだが
<BR>
冷たくてあたたかい
あらゆる中間
人や人が交差した
みな一刻さきを擦れようとして
<BR>
背離のケースに詰められた婦人
のふとうめいな硝子体
（そこも急ぐな、）
去り際ふりかえっておもった
折られても膝枕までだろうと
<BR>
来信アリ「深谷はなにもないです
「空なんてないですただの穴です
<BR>
敗色を片づけ直して
唾液が動くだろうか、舌が。
「点滅の歩く」領域が渚だと
いぜん返信した気もするが
条件が正午からたちこめた
暮色とは打たなかった
絵にも僕にも――全体がないな
<BR>
いわば池袋から鎌倉をどの線で行くか
身に負った旅程を鎮めるために
<BR><BR><BR><BR><BR>
<BR><BR><BR><BR><BR>
33【もののけ】
<BR><BR><BR>
もともと動きとは
こんなものではないかと
ただ動きをみていた
「首が飛んでも動いてみせる」
そうだろう、動きとは
「首が飛んでも笑ってみせる」
そうだろう、笑いとは
<BR>
万象はあるが
いつも全体などない
ひそやかにゆれているだけだ
ゆれるからみなが同じになる
酒場の隅だって同じになる
あくまでも仮だ
全体がここにあふれていることは
<BR>
《ゴーストが川辺の草といっしょに
川の水を覗き込む》
「こちら」の意識なきこの文で
場所がいっきょに非場へつうじた
<BR>
葉裏から魅［もののけ］が湧く
にじりあがるゴーストの通い路
躯の虚数がぞろぞろ動き
むこうの七草にも七種の雨脚が立った
<BR>
益体なき焼きトン屋にて同じ者たちは
同じたくさんのものを食べた
追憶的にすきとおった血管で
かこわれた胃の森にも
秋の同じ　がゆれていた
<BR>
塹壕からわれわれを送るだろう
何かの墨書のおわりへむけ
ひとからげを縦にして
<BR><BR><BR><BR><BR>
<BR><BR><BR><BR><BR>
34【港そだち】
<BR><BR><BR>
港みなとに舟、
それだけで補陀落がかいやぐらする
何柱の塔　おのれに向かう岬を
海岸線によびだし
いやおうなく水面も盛りあがる
たたらふむ　をんな肴に
それらを呑もうじゃないか
<BR>
土がななめになって
水が屋根をふくらみ
骨すかすかの巷ができる
虹をわたったのちは
橋というすきまはすべて爆破した
それが　港そだちということ
<BR>
ともだちを送る　死地へとおくる
<BR>
住む都はゴダール、町の人がいう
情の節は　情の悴は。
死んだ映画館から蕭蕭と
まだ剣戟音がもれている
まなうら疥癬だらけの
しらす腰越、
老婆こゆるぎ
<BR>
兄貴、詩が下手ってことは
心に正義がないゆえかい
（こくりこくりと白河を漕ぎな
<BR>
一空間は他空間を保証しない
無限のひみつもそのあたりにあって
だえきをかためてぬったのちは
橋というすきまはすべて爆破した
うまれたときからけだもの
材木座も侠や福のにぎわい
<BR><BR><BR><BR><BR>
<BR><BR><BR><BR><BR>
35【棚を考える】
<BR><BR><BR>
蜜柑の実るまちだったと
不意に気づいても
思い出は呂律がまわらない
空だって　見たという実感が
終生湧かないままだった
<BR>
物書きには背景が紙と拡がるばかり
皺だらけのそこ、
トリモチでたどられた折れ線にも
奥ふかく鴉一羽が刺さっている
こんにちの、空のきぃきぃ
<BR>
なんにも統べはしない、
愛の形式は　でも手渡しに尽きます
どうぞこの糸車を発煙筒を。
自分を化かさずして何の死後想起か
鏡というすきまもすべて破砕した
<BR>
賑わっている賑わっている
穫られ損ねた糸瓜が霊体となって
庭の棚状をぼんやりとゆれている
（謹啓――昨今、「棚」を考えています）
ゆれるものがやがて線となるから
予感も賑わっているというのだ
王冠をかぶらずして王
が往還音痴のままゆきかうから
<BR>
ありふれる地上の乞食［かたゐ］なのだ、
<BR>
一糸が別糸を待つ、
この緊張で裁縫師の手許も交易も
澄んでゆるがないだろう、秋は。
<BR>
もうじきおわるよ――何が？
暗い白に暗い白をかさねるマラルメ型が。
「白から白へ、に移行なし」（校庭碑文）
<BR><BR><BR><BR><BR>
<BR><BR><BR><BR><BR>
36【透かしのもよう】
<BR><BR><BR>
散歩ごと朝をかさねて
心はいわれぬもの無尽
<BR>
棚も身のなかにあふれ
ひきだしのひきだしが
身をひろがってゆく
田――名？
眼路のたなもただ
青くなりまさった藤が
ぼんやり垂れるだろう
<BR>
無風が万物の
無魂をあかしする
重力だけに統べられた
ものの　かっこたる惨状
<BR>
朝の分割は
分線がうすいので
区分のなかへ
きっとひかりが喚ばれる
やがてうすくして
みな分割でなくなる
<BR>
つるべを借りる
桶から水も借りる
井戸べりにこうこつとして
ほいとになってゆく
<BR>
さいごの棚、おしまいは
みたり笑へりき
この人数の形成を
ずっと待っていた
<BR>
三様の朝を交換すれば
天道の座が　あすからの
透かしのもよう
<BR><BR><BR><BR>]]>
        
    </content>
</entry>
<entry>
    <title>ネット詩集『あけがたはなび』</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://abecasio.s23.xrea.com/text/poem/post_15.html" />
    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="http://abecasio.s23.xrea.com/mt/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=1/entry_id=426" title="ネット詩集『あけがたはなび』" />
    <id>tag:abecasio.s23.xrea.com,2008://1.426</id>
    
    <published>2008-06-22T08:10:14Z</published>
    <updated>2008-09-23T20:33:42Z</updated>
    
    <summary> ※06年12月以降、ネット（ＳＮＳ）に発表した詩篇を選び 発表順にまとめました...</summary>
    <author>
        <name>管理者</name>
        <uri>http://abecasio.s23.xrea.com/</uri>
    </author>
            <category term="poem" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://abecasio.s23.xrea.com/">
        <![CDATA[<BR><BR><BR>
※06年12月以降、ネット（ＳＮＳ）に発表した詩篇を選び
発表順にまとめました。
以後も発表機会ごとに随時更新します。
<BR><BR><BR><BR>



【薔薇の隧道】 
<BR><BR>

四月にほどけるすばらしいお菓子 
マーベラス！　だってあたしの家にいたる道、 
その疑問形がここにかたどられていて 
蜘蛛の巣さえチョコレートになっているんだもの 
<BR>
今日からはずっと薔薇隧道、 
円筒に円錐を入れるイタズラな指。 
あす咲く木蓮をなんにもつけずに召しあがれ 
空無に触れる空無の味がするから 
<BR>
光のなかで編まれたりりあんのように 
手鏡にいるあたしは微発性の私信 
この今日の水のなかで昨日の水も編まれる 
編むは詩集と刺繍の共通縁語、です　余レル 
<BR>
あやしげな化石を集める 
龍の髭　鰭　化石の数だけ幻獣の痕跡 
もうあたしの化石はみな短冊形で、 
死んだ世界を覗く仏蘭西窓も付いている 
<BR>
マロン　マロン　記憶の犬の名前 
前脚が硝子質　鳴き声が幻灯機だから 
見ぬ秋にもマロンの同族が殖える 
けどそのすすき原には一人で来ていた――誰が？ 
<BR>
きらきら――そうして、きみの話を手ほどきする 
落ち葉が氷点に達し　割れているのではない 
きみの指と落ち葉の触れ合わない角度が凍っているのだ 
だからもうずっと、恐らく二億杯くらい青い珈琲を飲んだ 
<BR>
氾濫です――氾濫です、 
いや　あたしは煮たものを冷ましつづける日々 
ヴィジョンのために湯がいた菊と雪野を取り合わす 
――あたしは似た者を醒ましつづける日々 
<BR>
あたしのあとを追え　あたしの眠りの眷属は。 
あたしの眠りを髪の眠りが取り囲む 
髪は　漆塗りの古代朱で　重箱状 
そうこの世では重なっているものが遅れながら睡る 
<BR>
星斑の鴉が稀にいる街に 
憧れてあたしは星斑の鰈を提げる　そして 
あたり一面　精子を散らした銀河をかなしむ 
ココとアソコはソコが介在せぬかぎり距離が測れない 
<BR>
いまは何時だろう？　時間にもソコがない 
美貌の石が馬鹿げてみえる夜だってある 
妊婦見て　葬式も見て 
「それだけのこと」、今日からは薔薇の隧道だ
<BR><BR>

（盛田志保子の歌句を自由引用）
<BR><BR>

（06年12月、ミクシィにアップ）
<BR><BR><BR>

●
<BR><BR><BR>

【ワタシハ美シイ】 
<BR><BR>

私は　犬のように美しい 
猛暑のなか項垂れて犬が垂らす些少の涎のように 
あるいはその涎とリンボとの絶望的な距離のように美しく 
焼けたトタン屋根のうえを火傷しつつ踊る黒馬の蹄のように美しい 
さらには処女たちに不安を掻き立てるその蹄の音楽のように 
かつはその音楽を入場合図にして広場で殺戮を始める衛兵のように美しく 
その衛兵の眉間に刺繍されたＹの字のように次善の形態で美しい 
私は殺意のまえで棒立ちになる尼僧のように美しく 
その尼僧がまだ子宮内の三日月だったころの嗚咽のように美しい 
すなわち空と雲と水の織り成す予感のように美しく 
とうぜん予感の本然たる未了性のようにも 
一瞬現れて消えるままだったある日の耳朶の滴のようにも 
地下隧道の千年史を蒼白に彩った耳飾りの誘導灯の並びのようにも美しい美しい 
階段の手摺りのように螺旋下降する私が美しく 
地上の谷のあいだに穿たれた木霊の通路のように私が古く美しく 
千人分の精液を風に揺れるダリアのまえで飛び散らせたように私が醜く美しく 
醜い私が古いすべてのように美しい 
ゆえに私は用なしになった巨人の太腿のように美しく 
その腿が円筒を挟んでおこなう騎乗性交のように麗しく美しく 
その円筒がふと漏らしてしまった虚数の入った数式のように香しく美しく 
「私より私の不在がさらに美しい」という断言のように壊滅的に美しい 
私はそうであれば円卓での決定のように誇らしく美しく 
影を嘔吐しつつ塒を探す流民たちのように寂しげに美しく 
秋の窓辺の亡霊的な電圧のようにも 
この魂の洋梨のくびれのようにも　単なる穴のようにも 
しゃれこうべの眼窩のようにも絶え・絶え・に・美しく・美しく 
だから私は野焼きの間歇のように風説異説となって美しく 
あるいはもっと単純には間歇自体のようにも美しい 
地周に糸でつながれた恥のように 
犬のなかの犬のように　私という移行がこのうえなく美しい（だろう）
<BR><BR><BR><BR>

【自筆年譜】 
<BR><BR>

明治46年、阿部嘉子はミシシッピ水郷デルタに鰐とともに生を享く。 
いつも傍らに糸車、気さくな叔父「虹鱒」が第七天国を水路に紡いで。 
「大正」は来ない。デモクラシーも米騒動も来ない。ただ紙人形の春。 
茫洋の生を浮く。小舟でミッションには通う。茫洋の生を浮く。 
<BR>
5歳にして聖歌隊の紙屑に。丸められて「球」の実在を知る。 
最大の球が天球ならば　最小の傾度にこの転がりを放って。 
視野から水が消えてゆく。鉄道工夫・張の、生前の溜息を聴く。 
ピロウトークとポピュラー音楽と映画で米語を覚えた。 
<BR>
教養の可変性、儚さ。同等にそのワンピースの花模様が身に添う。 
髪が巻いてゆく。声も巻いてゆく。「髪の毛が肥るほど怖い」。 
孤客を前にして　ニューオーリンズ、少女娼婦の眼には 
こんがらがる鉄路しか見えない。「コレガ未来ダ」。4打席4四球。 
<BR>
15歳、物質転換の手術を受け　ヒヤシンスとは無縁の「風信」となる。 
唄え、と悪魔に魂を売った　南部巡回中のロバート・ジョンソンがいう。 
「揺れるだけじゃ駄目なの？」と訊いた。深夜、十字路上の初恋。 
天山の天頂に　初恋する千の菫が揺れている。偏西風に群青を見て。 
<BR>
流れて「群をなす」青の一員となる。見分けられぬことが身上。 
ニューオーリンズからの上海就航。そのモロコシ船は阿片の匂いもした。 
流れて「群をなす」青の一員となる。偉大な水を作り出すいろくずたち。 
船客のゴスペルをブルースが裂く。「沖縄へ帰るんだ」に意味なく唱和する。 
<BR>
この鍵穴に自ら鍵を挿しても　プレパラート視界が晴れない。 
入れ子が問題になったのが20世紀思考。唱和する――昭和しない。 
<BR>
一攫千金を望む小作農四男・阿部嘉昭と上海で式。ジャズバンドが伴奏する。 
阿部嘉子はもう35歳。世界大の年号などない、とおもう。租界で。 
式では日本女子らしく紙を纏った。さわさわ。存在の水が滲んでゆく。 
その股間に普遍性があるか。傍ら、阿部嘉昭はサーチライトを遠目に見ている。 
<BR>
大陸浪人からは気味の悪い屍臭がした。裂かれるべきものが存続する。 
双子の形式、希望の集団性、苗床、芸術の自己言及・自己愛など。 
その意識の隙間に　八路軍が糞尿を撒く。「上海蟹は通常の蟹に非ず」。 
伴侶・阿部嘉昭の赤色化には　密かな藍を刺したいとねがう。 
<BR>
あれからずっと　エノラゲイが唐突に出現する。そうした雲間が怖い。 
阿部嘉子の空を見上げるその仕種には確かに催涙性があった。 
大陸に不在のまま阿部嘉昭が頭髪を爆発させ死んだのはいつか。 
――阿部嘉子も確かにビートルズの最後のアルバムを聴いていない。
<BR><BR>

（以上、07年前期、立教入門演習に提出した遊びの詩篇等）
<BR><BR><BR>

●
<BR><BR><BR>

【百行詩：「メデタ矢」】 
<BR><BR>

一行目はいきなり飛び出して恥しい 
二行目はあっさりそれに追随しもっと恥しい 
三行目はこんな葛藤を無視する 
四行目ははじまったものは仕方がないと歎息し 
五行目がはや調整役を買って出る（お節介め） 
<BR>
六行目はまたもや恥しいが理由がちがう 
七行目の短足 
八行目のひンがラ眼 
九行目胸毛の毛毛毛毛毛が恥しい 
十行目にいたり恥しいものが恥しいトートロジックなケツ論も出る 
<BR>
十一行目は北埼玉のからっ風野郎、口癖は「ここで暮らさない？」 
十二行目の横浜の歌唄いを震える声で誘惑する「ベッドにおいでよ」 
十三行目の烏山親父は「なんでも呵呵大笑」が身上 
十四行目はよって素直に「カカカカカ」（たまに「ワンワン」） 
十五行目は不機嫌。「　」が多くなってきているからだ 
<BR>
十六行目、「つまり詩にはメタ構造がないとね」 
十七行目、「否むしろ音韻こそが必要だ」 
十八行目いうならく、「なんで安易な五七五？」 
十九行目、「恥のテーマへ回帰だろ？」 
二十行目は「一時期流行った《ハズい》こそ《ハズい》」 
<BR>
二十一行目は逆に「こそ」の語こそがいつも恥しいと指摘 
二十二行目は同調派、「強調ってマッチョよ、十九行目に戻れ」と虎の威を借りた 
二十三行目は心情派、「一時期がイチジクに聴えドキドキしたんよ」 
二十四行目、誤解派。「西洋学はやっぱり起源からだわよねえ」 
二十五行目、エッチ。「いや、浣腸の像が揺曳したんだろうよ」 
<BR>
二十六行目、わーん、喧々諤々。バベル状態だわ 
二十七行目、いやバブルの恩恵など蒙らなかったよ 
二十八行目、残業手当なかったし　モテなかったし 
二十九行目、おい阿部嘉昭、こんなとこで私的に嘆くな 
三十行目、バッキャロ、詩がわたくしでなくて何の詩か 
<BR>
三十一行目はそろそろ疲れてきてインスタント珈琲を淹れる 
三十二行目は単純に未来予測したが言明は次行に渡す 
三十三行目はその企みに乗るものかと眉間しかめて 
三十四行目は、私は数字が悪い、素通りしてください、と腰砕け 
三十五行目はお前みたいな前行をもった俺が不幸とこっちもメソメソ 
<BR>
三十六行目になって癇癪、「焙煎珈琲で雲古が黒くなるってことだろっ」 
三十七行目は元も子もなくなって（泣） 
三十八行目も「元は一行目だけでわれわれはみな子供だ」と責任回避 
三十九行目は怒りんぼ「日和見め、元利計算ではなく複利計算で行け」 
四十行目はしかしドリカム好きで「サンキュ．」といってほしいだけだった（もう遅い） 
<BR>
四十一行目になって暗中模索 
四十二行目は五里霧中とも換言できる 
四十三行目の実体も行数稼ぎ 
四十四行目はしかしとつぜん点数稼ぎの女子を押し倒したくなって 
四十五行目に生じた不意の性欲が五里を走った。だが「霧だらけじゃんか」 
<BR>
四十六行目に一首《性欲は虚しからずや霧の灰　靄の白にも沁まずただよふ》 
四十七行目はひとりごちる、dew ramblerっつのはありうるなあ 
四十八行目、俺たち不穏分子、霧のなかでこの殺意を燃やさなきゃ 
四十九行目にいたりさらに一喝、「拠点をえぐりだせ」 
五十行目《キリキリと夢中にありて錐まわせ》 
<BR>
五十一行目で腹に穴が開く 
五十二行目の向こうが見える 
五十三行目のとおく、お城も季節もみえる 
五十四行目は太陽が溶けた海 
五十五行目は大安売りだよ大安売り（晴れたっ） 
<BR>
五十六行目はけれども腫れてしまった 
五十七行目が大体「臍」の位置だったので 
五十八行目ではガキのころの出べそに戻る（涙） 
五十九行目でさらに臍下三寸すら腫れて 
六十行目にいたりきみのおっぱいもおしりもうっとり腫れた 
<BR>
六十一行目はとうぜん揉む 
六十二行目にふと生じた錐揉みも何のその 
六十三行目の性欲もグッとつよくなってもう墜落しない 
六十四行目が教材に相応しくなく猥褻だって構うもんか 
六十五行目ではっきりいいたい《全魚類とヤリたや》 
<BR>
六十六行目はしもたや 
六十七行目が出入りして 
六十八行目（遊女）が薄粥を振舞う 
六十九行目は大事な数字なのにいまさら倒錯できず 
七十行目がボソリ、「俺たちゃ江戸のむかしからビンボー」 
<BR>
七十一行目の　この何という侘しさ 
七十二行目が前行の虱とり 
七十三行目に発句、《虱去る師走の身にもクリスマス》 
七十四行目に付け、《われもわれもと橋落つるまで》 
七十五行目は　な～んかどうでもよくなって 
<BR>
七十六行目、ふう。 
七十七行目、ふにゃん。 
七十八行目、やっぱね。 
七十九行目、なにが？ 
八十行目、なんだかねえ。。。 
<BR>
八十一行目はしかしなんだかウキウキしている 
八十二行目を愛していてあすはカメロットの祭りに行くのだ 
八十三行目でジンジャの花を瞳に映して 
八十四行目のここ、かすかに生姜の香 
八十五行目では前行の打ち間違えを記録しておこう、「カカ折」 
<BR>
八十六行目、何じゃ「カカ折」って 
八十七行目、一部のアフリカ語でカカは女陰だろ？ 
八十八行目、ぼぼそそ 
八十九行目、由緒ただしく「ほと」といえ 
九十行目、ほとほとおのれの助兵衛に疲れて、魚類まで帰っていった 
<BR>
九十一行目は海流の彼方 
九十二行目は気宇壮大 
九十三行目に鮫の投身数千 
九十四行目は宇宙まで跳ねた鱶が脇見もしている 
九十五行目にみえた、にんげんの物侘びた下界 
<BR>
九十六行目は全詩人のとぼとぼ歩きで 
九十七行目、「お恵みくださーい」（ザマミロ） 
九十八行目からは三行の文法が破壊だ 
九十九行目、墓逝って往かず苔　イかずのかわやも 
百行目の斑らなら　まんだらだったからメデタ矢　（放てっ）
<BR><BR>

（田中宏輔がミクシィに発表した「百行詩」のヴァリアント）
<BR><BR><BR><BR>

【履歴詩：蔦状ゆびの帰趨】 
<BR><BR>

０歳　曖昧に生まれる、生れ落ちる、 
１歳　一番地に住んだことなどなく 
２歳　曖昧さに土いじりが混じる 
３歳　以後、蓮華知らず。 
４歳　母親を瀧と間違えて 
５歳　（せかいは放出だなあ） 
６歳　きっと暁に地下鉄がくる 
７歳　それまでが自宅の雛壇 
８歳　近所のおんなのこになりそこねて 
９歳　べーごまを半ズボンで光らせた 
10歳　最初の結婚は飼い犬と。 
11歳　近眼が確定すればあとは眼鏡で 
12歳　おんなのこの隙間の覗姦 
13歳　代わりの視覚器具に望遠鏡もなかった 
14歳　吸った煙草で抒情をけむりにすれば 
15歳　何たるこの世の喩けむり 
16歳　学習机を暴言異言で削る 
17歳　おなにぃはギリシャの盛り 
18歳　「菊もってこい」と怒鳴る秋もあるさ 
19歳　そろそろこの野放図に見切りがして 
20歳　天が下の唯我独尊に挟まる 
21歳　挟まりつづける蔦状のゆびが 
22歳　「くだらん、卒業なんてくだらん」 
23歳　暗い稽古場で俳優志望をみる（遠い、） 
24歳　わたしは虹の脚からも遠く 
25歳　文字しごとを境涯のなりわいにする 
26歳　見飽きたのだ、見る前からヴェネツィアに。 
27歳　ジルベルトを組み伏して倭寇 
28歳　絮をひろう散歩がつづく 
29歳　紊も糺も鶴川にひろう 
30歳　そろそろ悪運も月暈に投げて 
31歳　たてがみが無事帰るようになる 
32歳　この年、愛した女が十三人 
33歳  最も使徒に似た穴と暮しはじめる 
34歳　信心はさるすべり百まで 
35歳　エレキギターも爆音させた 
36歳　矮生、自著ノ系ニ入ル 
37歳　千怪、ギンマクニ唄フ 
38歳　赤目でアジアン・キス見続けて 
39歳　勃起ははるか異土の域に。 
40歳　円の輪郭がひかるとも知ったな 
41歳　十字校舎で娘と息子が百人交叉する 
42歳　手が詩を書きゃ巣も騒霊でガタガタ 
43歳　箪笥の脇に「穴」が仁王立ちして 
44歳　弁明がもはや色惚けた爺ぃさ。 
45歳　きっと十年が双六になる 
46歳　百年が干拓史になるように。 
47歳　雨夜に心音の歌姫降りて 
48歳　もうじきが人世の三が日 
49歳　ゆっくり消えかかってもいて、
<BR><BR>

（07年後期、立教ブログ演習に提出）
<BR><BR><BR>

●
<BR><BR><BR>

【丹頂】 
<BR><BR><BR>

失地を回復しようとして 
田上に丹頂は降りる 
はためかす翼が背景におよび 
いまし田野も翔ぼうとした 
<BR>
睛の周りに点じられた真紅が 
地上に変わらない千年を見据える 
あらゆるものが赤かった残欠 
補色から補色へ跳ぶ、記憶の正統 
<BR>
さばえ、唸り上げるものに 
風景が近づける神を生じて 
眩暈とともに頭上も黄金ニ入ル 
鶴は翼をさばえなそうとして、 
<BR>
その嘴からは蚯蚓をぽたぽた落とす 
災難だった――芹田に芹なくて 
翼の匂いから草が湧かないのは。 
空に棲むまえが湿地の一族だったのに 
<BR>
空を飛んで全身は冷たく凝血した 
罅割れが空の罅割れを長く渡ったあと 
片脚立ちしたその全身、鱗の遠近法が 
風景を割って出る坂を密かに形づくる 
<BR>
お聞き　空には坂があまたある 
わが姓は「空坂」　名は永代なし 
人語を超えた語も叫喚でしかなく 
遠くと遠くを結ぶ　のみどが血塗れ 
<BR>
知るか　沼など空からは穴に過ぎぬ 
地軸の傾きを身にべったり帯びるために 
二羽で墜落を遊戯することもあるのだ 
季節を統べる驕りはこの地軸感知による 
<BR>
あるとき地平に季節種が一斉に出て 
その一種にしかないことは、事後の何か 
翼の熾す孤独な電流に空が染みて 
その影のもとにしか人間も頭もない 
<BR>
ささくれて天と謂えばいいのだろうか 
天に八岐もあると告げればいいのか 
翻意を洩らすまえに灰を帯びた双つ翼は 
あらかじめ今生の身に別れていて惨憺 
<BR>
空に飛び出しわさわさする身に罅が入り 
その亀裂が　風の遊び入る浮力となる 
この姿が一個の懇情などと高を括られては 
やがて雷鳴ニ入ラントスル矜持がすたる 
<BR>
こんもりした地上にいっとき留まって 
婆沙婆沙と騒ぎ　鳥骨の構造を自ら砕く 
骨は翔ばない、精神が浮力を得るのみ 
溶ける大らかさで空とともに悲遊する 
<BR>
大悲と呼ぶにふさわしいこの恩寵は 
我が身と背景から切にもたらされる 
ただ種族の掟は「一過」にも満たない 
おまえの眼にただ傷をつけるだけの
<BR><BR>

（08年１月、ミクシィにアップ）
<BR><BR><BR>

●
<BR><BR><BR>

【足摺】 
<BR><BR>

わが性を打って 
枯海をゆくと 
暫定が風に巻いている 
わが性を叩き打って 
夕闇を久遠と雁行すると 
脇腹（ヘンな位置）を 
乞食色の翼が暖める 
<BR>
昨日振り返って 
今日は前を向いた 
背後も祈祷の魔 
むらぎもも推移 
ほぐれるまでの 
それだけ 
<BR>
胸の崖から 
粉にした八角を 
遠く放つと 
この埼も足摺となって 
木霊に円く抱かれた 
停まる。 
<BR>
税が真の禾篇だった昔に 
ひとの姿は鸞鏡に徴され 
貧しさを神域に揺らす 
日のゆらゆらの 
没陽までの音楽 
<BR>
児すら小さな貧国では。 
<BR>
空に面目なし 
森にはある 
よってそこから 
銛で空の鯨身を抜いた 
（とある若さが 
赤く聡明にみえて、 
<BR>
金属が周りを娶り 
続々と箔になってゆく 
（真向かう眼には 
娥のごとし 
<BR>
厭だ厭だ 
回収して歩くつもりが 
やはり佇っている 
鮫香るなか 
暮れる尾長の気配に 
わが水分一斗が 
浅くふかく 
玉を獲られて
<BR><BR>

（08年１月、ミクシィにアップ）
<BR><BR><BR>

●
<BR><BR><BR>

【百番目の角】 
<BR><BR>

門のなかのきんいろへ 
ゆつくりと入つてゆき 
うろくづのわれら 
ぼろぼろのひれをうしなう 
樹々のすきまを 
ほつそりと旅した 
角から角へは 
春のこぼしているもの 
（花粉や陽光ではない）を 
こつじきめいて拾う 
さわわたりに拾いあげる 
みみずのみずの 
みみのみさを 
みわみわみわ 
音楽がもれていよいよ 
せいも高くなつてゆく 
とうとう百番目の角で 
はるかぜ吹きぬけて 
きんいろよりも 
高くなつた 
帝王を切開するよりさき 
われらは幸福にも 
その足許をうしなう
<BR><BR>

（三村京子のミクシィ発表詩篇に付けた）
<BR><BR>

（08年２月、ミクシィにアップ）
<BR><BR><BR>

●
<BR><BR><BR>

【腹筋】 
<BR><BR>

笑うためだった 
横隔膜は鍛えられないので 
腹筋を鍛えた 
不安な 
雲の峰のようになって 
性愛のとき 
下腹に夕立が流れた 
都市は動いているか 
足許では女が 
横になっただけではなく 
夏を流れている 
腹筋のうえの俺（魂、） 
ひん曲がりながら 
どこに立ってるんだ 
夕焼け　ぎらぎら
<BR><BR><BR><BR>

【推敲】 
<BR><BR>

推すも敲くも 
眼前に春の扉ありて 
その奥に 
女の崩し字のざわめき。 
跳ね糸ひとつ引けば 
伽藍伽藍と 
構想も緑青もなん 
どたり頽れてゆく。 
「Ｓ様いとし」 
「やなぎがしるし」 
発芽か発眼を 
樹の抽象にみて 
さてこの験しを 
いかに女字に崩すか 
結局は万字や卍になって 
胡坐の身も経文だらけ。 
「まだ耳のこる 
はなはるの」 
身を推して身を敲く、 
最期めらのぽこぽこ音。 
おんおんおんと 
仔馬もゆくよ、 
ゆたり狂気の渡りを。 
遠いね、万物はとほい 
身に実に
<BR><BR>

（森川雅美のミクシィ連載「お題即興詩」に書き込んだ）
<BR><BR>

（08年１月～２月、ミクシィにアップ）
<BR><BR><BR>

●
<BR><BR><BR>

【此の世が太鼓になって】
三村京子／阿部嘉昭
（交互詩の試み：奇数行＝三村／偶数行＝阿部）
<BR><BR>

洗って洗って剥げた身体に、紙を漉きだす
流れでる巻紙には夜明けの文字を書き流すかもしれない
ここから何を？　銀河の手本を嵌め込んだ、最後の頁で
断髪のわたしは来歴の最初をただ「渦」にして滲ませた
待つのは審判か、回り続ける黒焦げのオドラデク
橋は橋である自分をふとやめて　とおく谷底に砕けた
遠くで女の叫び声もする。踊る川水は速度を増しながら
さかのぼってゆくと滝壷のうえには世界が億万並び立った
光の淋しさを前に、掌の奥で、運ばれてゆく音を聴いた
左右のいろの違うわたしの瞳は点滅しつつ爆発を起こし
破片の流れゆくのが見える。泡の糸で手繰りよせては消え、
消えては現れる洗い汚した下着を洗剤で千に裁断する
洗濯機の中にアイスキャンデーを常備しているので、
水玉模様のスカートには事欠かず、日傘も丘にまわる
家を出る時に、脚の片方が無いのに気づいて
駅に集まったあらゆる落とし主と仲良しになる、猫好きの。
水玉を猫に与えつつわたしが猫になってゆくのを知る
開闢の噂を語りあうふるさとの訛りが鉛よりもなつかしい
猫語、水語、昨日の飲み残しの乳。あなたの身体に乳を塗り
みんな舐めて便器ではないほんとうの泉にたどりつく
みえるのが黒い渦だったから、そこへなんども唾を吐き捨て
足許のものは透明な壷にした。「裕美、何度も生き返って」
泉水に触れたわたしの片脚から天上のオーロラが翻る
「拓郎、何度も死に変わって」、続々と来る薄緑の霊柩車
逃げ出す彼の屍。壷が歩き出し、自ずとわたしの骨を納め
一切合財が収まってわたしの夏も盆地を長なが行列する
仏に被せる白布のうえに米粒の人々が泡立っているので
縮むくだものにミルクをかけて伸びる咽喉へと掻っこんだ
せつないです。甘い味が、虹の向こうへ。足袋が剥けて
脚も剥け胴も剥け　幹になった猛暑がせつないです
顔ものっぺらぼうになって明りの灯る祭りを通り抜けては
無名の境遇を細長い鬼たちと分かつ。天の気分で草が揺れた
たのしや。雷を齧り、此の世が太鼓になって
「車」三台で　ゆかしや、援交都市も平気で轟く
「指三本」で、今夜はどう？　なんて寄っても軽くいなして
聖書にいわく「お前が援助すべきなのはお前自身だ」
身体半分、頁をめくって読んで。だけどそばから縮みそうで
「手乗り」となる身分の少女たちは花粉を台風に飛ばす
朝顔の蕾の影。胚種から灰の女に変わるだろうか
いや胚種はとおい面影、そこからは収穫期の女神が微笑む
胞子の階級へ貶められた絶望が、彼女らを死の地へ囲い
やがては薔薇の一揆が川のあふれる畔にも音連れるだろう
それとも手を繋いで、せーので線路に飛び降りるか百人自殺
乳首も空間に飛ばしちゃえ　どうせ此の世は模様だもの
鏡張りのここで何重にも現れ　木霊する　声が　身体が
しずくする国家が　少女が。鏡の森ではアリスぐるぐる
これが身体なのか、これはあなたなのか、謎解きを
何にせよスペードの女王は両性具有だろう　アメリカだ
今から始めます。手術でしょうか。勉学でしょうか。
あすは手術を。肺に百合を。ひとみなに学びのともしびを
<BR><BR>

（08年３月、「なにぬねの？」にアップ）
<BR><BR><BR>

●
<BR><BR><BR>

【ぬりかべ】
<BR><BR>

いまさらに　とりのないそらに
こたえるようにわたしのめ
ますますみえなくなってゆき
やぶれかぶれがとんでいます
きょねんのあのころはサイゴンだな
とりのインフルエンザでは
アジアのやきとりもやられて
くしうちのぶすりぶすりで
ばけたふすまさえどもっていた
いれずみされてないていたよ
おんなのぬれがみもおくでまいた
そういうのがホラーでしょ
へんなとこ　なめすぎですよ
ぬりかべならまだしも
おまえのパジャマのむなもと
のりをぬったようにテカテカだ
ぽつねんとすすきのあいだにいる
かべだな、にしにゆけないための
かべだな、としをとらないための
ぽつねんが　やしのあいだでアロハだ
<BR><BR>

（08年４月、ミクシィにアップ）
<BR><BR><BR>

●
<BR><BR><BR>

【タレ派】
<BR><BR>

はんにゃはらみた
とくねるおんなに
ねんどこぶしをずぶっ
らぶはかんふーだな
まさにがへいの
かんふうしょうり
でんせんのとり
このよのせんとせんを
みをもってかざるけど
とびたてよおまえら
そーせーじぬんちゃくで
ぬくてーにしてやろか
（よくもまあそくしんの
やきとりなどにならずに）
（タレ派がまだせいぞん
してるかんがいもあり）
だからあるくわきみちなど
ごたくだとおもうよ
あくたがうかぶんなら
ほおなどつねっちゃおうか
おまえのおまえの
ももいろといっしょに。
サマーフォビアをまえに
ティータイムつづきで
こーひーものみすぎだが
かっきてきにいま
中華スープのごちゅうもんだよ
あなたとわたしの
あいだのおんぷ
でんぶ（べんとうの）
ちゅーりっぷもたりっと
ひらききってるし
はるはだれるただれる
タレ派しだれる
やなぎのやきとり
のじんじんのさみしさ
「ねむい」そうです
だからことばのすくない
らぶそんぐをいまは
<BR><BR>

（08年４月、ミクシィにアップ）
<BR><BR><BR>

●
<BR><BR><BR>

【薙ぐ】
<BR><BR>

ふくざつを排すのは
なぎゆくこの身だ、
身を文にひたして
百草を編まず狩り倒せば
みなもの地紋が
足からのぼりだして
一身が炭酸の塔
風路ともつながる
そうなれば愛す身は
対象のうえに剰り
接線を崩れてゆく
コンナ愛シカタ
植物の昆虫にあったか
世に八角形のものを
めざとくみつけては
蜂の尾を振る
振って小さすぎる
水滴を頭上に爆ぜる
お前だ蜂角形
部分の植物は薙ぐ
<BR><BR>

（08年４月、ミクシィにアップ）
<BR><BR><BR>

●
<BR><BR><BR>

【自転車に乗って】
<BR><BR>

飛ばなくちゃならないものを
投げる手前で断念する
私を　ピアノ線を複雑に織り込む
<BR>
あげていたいドブ川の川風に
深夜の洗濯物がひるがえれば
ヘッドホンのなかから木の実が
脳髄灯せと転がってくる
ころん、の寸前の　棒体脱色
<BR>
川風の脇　自転車を乗る
川風のひとりとして自転車を乗る
<BR>
軍属、両手一杯に呟く
「阿部山くん」「はい」
「阿部沢さん」「はい」
地上の四の五の。
継続だけでなく配置が問題で
むなしくなれば夜が
私の管を伸びた　けれど
<BR>
みみずの一種だって、自転車は。
ひからびて死んでいるよ、
あけがたからちょっとの間に
<BR>
「おまえを鉄の味方のなかに
リボンをつけて
蔵わなきゃならないね
<BR>
好きなひとは好き
と自分を騙し討ちして
線のためにも
自転車を漕ぐ
<BR>
すいっすいっ、と
コーンは帰り道にこぼした
<BR><BR>

（08年５月、ミクシィにアップ）
<BR><BR><BR>

●
<BR><BR><BR>

【あるか】
<BR><BR>

遠くが鳴っている
鮫島に鮫があふれたそうだ
けれども刃向かうものもないので
死亡通知をこの左手で受けとる
<BR>
あれを返す「この」。
これを返す「あの」。
みだりに水は
<BR>
嘆願も森に入ったとおもう
神輿が捨ておかれて
中断は途上からのながめ
そういうものを形見分けの
なめらかな段取りでふかめる
<BR>
けれども心太にある
あかるいけむりのアイス欠乏
箸をもつ深傷もかたむいてゆく
<BR>
生理前の　いわしの行進
聴像がなまぐさいのは
せまい自覚のせいだ、
<BR>
私をわたしで割って
マトリョーシカの
入れ子かんおけ
（舌に裏はあるが
西もあるか
<BR>
なまおよぐ風の繁栄だ
三日おきに手足の柱は
入れ替えてゆこう
鮫島に鮫がおぼれる
<BR>
蝋涙のさむさを
眼で海の極へ流して
私はこの丘にあるか
すこしずつ
あるか
<BR><BR>

（08年５月、ミクシィにアップ）
<BR><BR><BR>

●
<BR><BR><BR>

【授業の朝】
<BR><BR>

健一がしずくする
朝は葉に映ってあらわれる
たなびけばもう網ではない
という罠を
ひかりのなかに
しるしている世界の網だ
<BR>
朝はふるい鹿に話す
それは数語で済む
表象関係の表象は
<BR>
太陽のつめたさをもらった
ぎらぎらのメスで
昨日のおもたい手荷物を
シリツする
（おとよという婆ぁの
駄菓子屋さん、）
渦をまくルネッサンスの
穴があくまで
<BR>
いっぽうで手許がくもる
手許を行人が小さくよぎるので
やがてあらわれる西瓜のなかに
入ろうとする田舎の歩みも
じぶんの畑に爆薬の種をまいた
もうすぐの夏が
パチパチはぜるだろう、そこに
<BR>
まいて泣きわらうんだ、
直径２センチのたつまき（だよ
<BR>
ちいさな肩をおして
十字架のならびたつ
教室へさしむける
その肩越しにみえた
音楽的なけむりも
さらに映像的にけむった
<BR>
六月になれば魚の腹から
脂がへってきて
川の流れに苔いろがにじむ
おもいでなんてそんなもの
とおすぎる産卵かもしれない
<BR>
今日は授業なので
宿題は高貴な灰のうずたかさ
このかばんのなかで
うすくねぼけているはずだ
<BR><BR>

（08年５月、ミクシィにアップ）
<BR><BR><BR>

●
<BR><BR><BR>

【十字路】
<BR><BR>

わたしをほおる
十字路に
デーモンのぼろうめき
あえか
あえかにして
蛇腹のギター
やれる
<BR>
居並ばないための
風、
づ
を縦に割ってくる
竹をほそく
釣竿にするような
腰のぶざまで
何をななめに
拠るというんだ
<BR>
靴の
鉄鎖
それが楽器
じゃらつかせて
蟻穴を演る
蟻として
天が
ちいさくなるまでを
みあげる
演奏の
ポーズ
<BR>
（とめなさい、
（灰色すぎる、
<BR>
胸をかこむように
蹲むと
うつくしい
火花はみえた
それからを
<BR><BR>

（08年５月、ミクシィにアップ）
<BR><BR><BR>

●
<BR><BR><BR>

【カーブ讃】
<BR><BR>

語尾ライラック
たまなりヘンを喋る
われらの夜餐
たえず自信なげに
犬ふたなりて
上目遣いに
性差万別の笑い
脚萎えの静脈は
きれいなものだ
女滝も墜ちて
水盆がしゃんぱん
しゃわしゃわして
焼身自殺のように
見ていたなあ
部屋空間を
平泳ぎすれば
手で掻きこんだ
俤が顔を攻める
夏の盲愛の海
まるで接続したようだ
現にトルソー、
曲線だらけじゃないか
ここはカーブです
カーブというのは美しい
燃えている
鯨の糞も。
<BR><BR>

（※ラスト２－４行はmixiモリマサ公の詩篇、「カーブ」からの引用）
<BR><BR>

（08年６月、ミクシィその他にアップ）
<BR><BR><BR>

●
<BR><BR><BR>

【南回帰線】
<BR><BR>

すべなくて日暮れて
ましら森が白骨する
身だしは装身にして
露天の湯気きゅうでん
奇な場所を歩いたなあ
おんなの桃捌きに
初音をふと茹でられて
きんたまがこがねを
ゆらりとどこおった
大好きだ、ねじまわし
赤龍頭巻かれて
過去過去の偲び返し
しとどオペラズロースも
和讃の輪角形なるかも
だから葱は和える
赤坂が雨の国道なら
ひん剥いて贄もすぎない
がんもどき思想のおでんだ
ぐつぐつと盗み見て
前戯とどまざれば
ＬＳもドさいけの蟻落し
おきしふるペンペンに
寸前を自慢してらあ
飛べないくせにな
孔雀、その内側のみが
はかなく写幕に映る
<BR><BR>

（最後の二行は森川雅美のお題即興詩「孔雀」から
インスピレーションを得た）
<BR><BR>

（08年６月、ミクシィその他にアップ）
<BR><BR><BR>

●
<BR><BR><BR>

【天和】
<BR><BR>

二度と死なぬために
あれから天和を画策した
天使の髪毛ともいう
そんな領域に顔を隠して
小さなものの輪郭に生ずる
光暈を眼で数倍にした
<BR>
密約が蜜薬と同音なのが
せめて日本語の救いだが
耀きを得るため摩すべき
言葉の屍体などもうない
粒となって脱引力飛翔する
天軍を遥かに見やって
同盟の文なら草書に流した
<BR>
私の内奥に私を隔つ
旧往からの二川がある
この分岐のために
手始めから和了して
以後共謀の局面を
笑い流すこともできず
灰のようにしらばっくれては
胸の白紙を明日にしてみせる
「綺麗な三色を流した」
<BR>
意外に身通った恐怖は
この腕と脚のあいだに
鈍く深く共鳴していて
私は全身の鋏となり
歩行のまにまには
草原をまた斬ってしまう
ことに運悪い曇り日には
<BR>
牌すら砕く
バラバラが足跡だったな
人生音楽の私は
<BR><BR>

（06年７月、ミクシィその他にアップ）
<BR><BR><BR>

●
<BR><BR><BR>

【鬼没】
<BR><BR>

喘鳴王の最期はやはり
喘鳴に終わった
気息を日没に病んで
己れのなかをただ歩いた
悪い冗談だ、身中が巷
敷き道の風合は好んだ
<BR>
喫煙と肺が癒合する
肺は縮み肋の破れ袋
犬が紫になる日暮れは
ゆっくりと煙を吐いて
空の梯子のからくりを
己れに向けて挽回する
<BR>
老いでは薄い楼閣が
こうして身中に建って
夏蝶を白狂のため舞わせた
着物の裂ける音となり沈む
あまたの葉裏のような王
減算への減算を仕掛ける
<BR>
揺らぐ半袖が飛鳥だという
飛翔物質を野に数えれば
一日の沈降が鳥より迅い
何事も身を抜ければよく
運命も正面からと定めて
神出なくただ鬼没した
<BR>
ないのだろう、もう余滴も
<BR><BR>

（08年７月、ミクシィその他にアップ）
<BR><BR><BR>

●
<BR><BR><BR>

【三鷹】
<BR><BR>

さみだれ式とは何の梯子だったか
鯊の世は三日で見事に干上がった
眺める、炎熱が裸木を覆うはごろも
犬の明眸も気楼ののちを去った
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陰を守ってはしばみに身を寄せる
実に負う来世の小さなきらきら
憂えた図が殷う天下ともなり
その八寸のものを遥かに遠望した
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まなつの裂だらけのチョウザメ
左に泳ぎ右に乱